生理前に「気分が下がる」「わけもなく落ち込む」といった体験はありませんか?
そのモヤモヤの原因は、PMS(月終前症候群)やPMDD(月終前不快気分障害)にある場合があります。今回は生理前の気分落ちの原因と効果的な対処法を解説します。
対処法を知ってしておくことで、気分落ちとうまく付き合えるでしょう。また、痛みや不快をひとりで抱えず、横浜よりそいメンタルクリニックの受診も検討してみてください。
生理前の気分の落ち込みの正体とは?PMSとPMDDの違いについて詳しく解説
本章では、PMSやPMDDの症状と違いについて詳しく解説します。
- PMS(月経前症候群)とは何か?
- PMDD(月経前不快気分障害)とは?
- PMS・PMDDに関する統計とデータ
上記の内容を理解することで、自分の症状への理解を深め、適切な対処をしましょう。
PMS(月経前症候群)とは何か?
PMSは、生理前の数日から1週間ほどの間に現れる、体と心の不快な症状の総称です。
具体的には、以下の精神的かつ身体的な症状が見られます。
- 頭痛
- 腹痛
- むくみ
- イライラ
- 気分の落ち込み
これらの症状は、生理が始まると自然に軽減するのが特徴です。
PMSは女性の約70%が経験すると言われ、ホルモンバランスの変化が主な原因と考えられています。
排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が減少することで、セロトニン(心の安定に関わる物質)にも影響し、気分の不安定や体調不良を引き起こします。
さらに、睡眠不足や栄養の偏り、ストレスもPMSを悪化させる要因です。症状が重い場合は、「自分だけの問題」と我慢せず、専門医に相談しましょう。
PMDD(月経前不快気分障害)とは?
PMDDは、PMSの中でも特に心理的な症状が悪化した症状です。主な症状として、気分の落ち込みや喪失感があります。通常の気分落ちとは異なり、日常生活に支障をきたすほどの広がりを持つのが特徴です。
特に、PMDDは女性の5%が発症していると言われ、専門的な治療が必要な症状です。
PMSとPMDDの違い | |
PMS | 身体的な症状や軽度な精神症状 |
PMDD | 精神的症状が中心で、日常生活に大きな支障をきたす |
PMS・PMDDに関する統計とデータ
女性の約70%が、生理前に体からのサインを感じると言われています。その中でもPMSの症状を感じる女性は全体の50%以上です。
そして心理的な症状が強く出るPMDDは約10人に1人の割合で発症するといったデータがあります。
平均的に「自分には関係ない」と考える女性も多いですが、実際には多くの女性が何らかの心足らずな気分や不快感に苦しめられているのが現状です。生活環境やストレスが大きく影響を与えるとも言われています。
生理前の気分の落ち込み(PMDD・PMS)の対処法4つ
本章では、日常生活の中で取り入れられるPMSやPMDDの対処法を紹介します。
- 日常生活でできるセルフケア
- PMS・PMDDに効果的な食事
- PMS・PMDDと漢方薬の可能性
- PMS・PMDDの啓発活動とサポートコミュニティ
上記の対処法を実践することで、心身の負担を軽減し、日常生活の質を向上させましょう。
日常生活でできるセルフケア
1日の中で、可能な範囲で体を動かしたり、お気に入りのストレッチやリラックスを行うことで気分の下がりを軽減できます。深呼吸の習慣や、ゆっくりした温かい水浴も効果的です。
また、ゆっくりと休息をとることも大切です。心足らない気分を、体を動かすことでわずかでも解放できる場合があります。
日光にあたる機会や、整頓な生活リズムを維持することもポイントです。
PMS・PMDDに効果的な食事
バランスのよい食事は、PMSやPMDDの症状を軽減させる効果があります。主に、マグネシウムやカルシウム、ビタミンB6やカルシウムの多い食品が効きます。
そのため、バナナやホウレン草、全粒米などがおすすめです。
そして、できるだけバランスよく受け入れることも大切です。その他、カフェインを控えめにして、酒や塩分の過剰を避けることも病状の下がりを防ぐコツになります。
PMS・PMDDと漢方薬の可能性
漢方薬は、PMSやPMDDに対して体質や症状に応じた柔軟な治療が可能です。
西洋医学のホルモン治療や薬物療法とは異なり、漢方は体のバランスを整え、不調を自然に改善する効果が期待されます。
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラや気分の落ち込みに効果的
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):むくみや冷え性に役立つ
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の巡りを改善し、PMSの症状を緩和
漢方は副作用が少なく、長期的なケアにも向いていますが、自己判断せず専門家に相談し、自分に合った処方を受けることが大切です。
PMS・PMDDの啓発活動とサポートコミュニティ
PMSやPMDDは十分に理解されていないことが多く、周囲のサポートが不十分なケースもあります。啓発活動やサポートコミュニティは、自分の症状を理解し、気持ちを共有できる場として重要です。
現在は、オンラインやオフラインでPMS・PMDDに関する情報提供や当事者同士の交流が広がっています。
例えば、SNSやフォーラムでは同じ悩みを持つ人たちとつながり、アドバイスや励ましを受けられるようになりました。
企業や自治体でも啓発セミナーが開催され、支え合う環境が整うことで心の負担を軽減する効果が期待されています。
生理前の気分の落ち込み(PMDD・PMS)の原因とは?なりやすい人の特徴を詳しく解説
本章では、PMSやPMDDの原因やなりやすい人の特徴について解説します。
- 月経周期が心身に与える影響とは
- PMS・PMDDを引き起こす生活要因
- PMS・PMDDになりやすい人の特徴
- PMSとPMDDの症状セルフチェックリスト
上記を参考に、日常生活を見直し、症状の予防や軽減に役立ててください。
月経周期が心身に与える影響とは
月経周期は、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量の変化によって大きな影響を受けます。
特に排卵後から生理前にかけて、これらのホルモンバランスが急激に変動することで、自律神経や脳内ホルモンが乱れ、気分の落ち込みやイライラ、不安感などの症状が現れると考えられています。
ホルモンの影響は避けられませんが、その変化にうまく対応するための対策を取り、症状を和らげましょう。
PMS・PMDDを引き起こす生活要因
PMSやPMDDの症状は、生活習慣やストレスとも深く関わっています。睡眠不足や偏った食生活、過度なカフェインやアルコールの摂取、運動不足は症状を悪化させる要因です。
さらに、仕事や家庭での精神的なストレスが加わることで、気分の落ち込みや体の不調が強く出ることがあります。環境の変化や過度なプレッシャーは自律神経を乱し、ホルモンバランスに悪影響を与えるため、心身のケアを怠らないことが大切です。
自分のライフスタイルを見直し、適度な運動やバランスのよい食事、質の高い睡眠を意識することで、PMSやPMDDの悪化を防ぎましょう。
PMS・PMDDになりやすい人の特徴
PMSやPMDDの症状が出やすい人には、いくつかの共通点があります。
特徴 | 概要 |
ストレスを感じやすい人 | 日常的に精神的な負担や緊張が多い場合、症状が強く現れやすいです。 |
不規則な生活リズムを送っている人 | 睡眠不足や不規則な食事など、生活習慣の乱れが症状を悪化させることがあります。 |
体力が低下している人 | 疲れやすい体質や体力不足の状態では、ホルモンバランスが崩れやすくなります。 |
過去にうつ病や不安障害の経験がある人 | 精神的な不調を経験している人は、PMSやPMDDの症状が重くなりやすいです。 |
月経にともなう痛みが強い人 | 月経痛がひどい人は、PMSやPMDDも強く出る傾向があります。 |
栄養不足や過度なダイエットをしている人 | ホルモンバランスが崩れ、症状を引き起こす原因になります。 |
自分の体質や生活習慣を見つめ直し、ストレス軽減や生活リズムの改善を意識し、PMSやPMDDの症状の軽減をしましょう。
PMSとPMDDの症状セルフチェックリスト
PMSやPMDDの症状を自分で把握するためのチェックリストを活用しましょう。以下の項目に当てはまるものが多い場合、PMSまたはPMDDの可能性が考えられます。
- 生理前になると気分が落ち込む、イライラする
- 体がだるく、疲れやすい
- 集中力が低下し、日常生活に支障が出る
- 頭痛や腹痛、むくみなどの身体的症状がある
- 生理が始まると症状が軽減する
症状が1週間以上続く場合や、日常生活に大きな支障をきたす場合は、早めに専門医の診断を受けることをおすすめします。
生理前の気分の落ち込み(PMDD・PMS)の治療方法と医療機関での対応
本章では、PMSやPMDDの治療方法と医療機関での対応について詳しく解説します。
- PMS・PMDDとメンタルヘルスの関係
- クリニックでできるPMDDとPMSの治療
- PMS・PMDDを診てもらえる専門医療機関の探し方
上記を活用し、適切な治療を受けて症状を改善しましょう。
PMS・PMDDとメンタルヘルスの関係
PMSやPMDDはホルモンバランスの乱れが主な原因ですが、それがメンタルヘルスにも大きく影響を与えます。
生理前に気分の落ち込みや不安が強くなることで、仕事や人間関係、家事に支障をきたすケースが少なくありません。
さらに、PMSやPMDDを放置すると、うつ病や不安障害など他のメンタルヘルスの問題を併発する可能性もあります。
以下のようなサインが見られたら、メンタルヘルスのケアも視野に入れましょう。
- 日常生活に支障が出ている(欠勤や家事の放棄)
- 気分の落ち込みが長引いている
- 睡眠障害や食欲不振が続く
こうした症状が出ている場合、心理カウンセリングや専門医の診断を受けることが重要です。
クリニックでできるPMDDとPMSの治療
医療機関では、PMSやPMDDの症状に合わせて適切な治療が行われます。治療方法は以下の通りです。
- ホルモン療法
- 薬物療法
- 漢方薬の処方
- カウンセリング療法
それでは、詳しく見ていきましょう。
ホルモン療法
低用量ピルやホルモン補充療法を使用し、ホルモンの変動を抑えることで症状を軽減します。ホルモンバランスを整えることで、気分の浮き沈みや体の不調を和らげる効果が期待できます。
薬物療法
抗うつ薬や抗不安薬が処方されることがあります。
特にPMDDの重症患者には有効です。薬物療法により、強い気分の落ち込みや不安症状が改善されることが多く、日常生活への支障が軽減されます。
漢方薬の処方
加味逍遥散、当帰芍薬散など体質に合わせた漢方薬が選ばれます。自然由来の成分で体に優しく、長期的な服用にも適しているため、根本的な体質改善にもつながります。
カウンセリング療法
精神的なサポートを通じて、ストレス管理や生活習慣の見直しを行います。心理カウンセラーとの対話を通じて、心のケアとともに対処法を学べるのが特徴です。
症状や体質により治療内容は異なるため、専門医と相談しながら自分に合った治療法を選びましょう。症状を我慢せず、早めの受診が改善への近道です。
PMS・PMDDを診てもらえる専門医療機関の探し方
PMSやPMDDは一般的な病院や婦人科、心療内科で診てもらえますが、専門知識のある医師に相談することが大切です。以下のポイントをチェックしましょう。
- 婦人科でホルモンバランスを相談する
- 心療内科や精神科でメンタルケア実施する
- インターネットや口コミを活用して医療機関を探す。
医療機関のホームページや口コミサイトで「PMS・PMDDに対応」と記載されているクリニックを探せます。受診者のレビューや評判を確認することで、自分に合う医療機関を見つけやすくなります。
横浜よりそいメンタルクリニックなど、PMS・PMDD治療に力を入れているクリニックに相談するのがおすすめです。
自分の体調や心の不調を無視せず、専門家に頼ってください。あなたの悩みに寄り添ってくれる医療機関を見つけましょう。
生理前にパートナーや家族ができるサポート
PMSやPMDDに悩む方が周囲から理解を得られることは、とても大切です。パートナーや家族は、まず症状を理解し、「生理前だから仕方ない」と簡単に片付けず、本人の気持ちに寄り添う姿勢を持つことが重要です。
体調が優れない時には、家事や育児の一部を手伝うなどして負担を減らし、ゆっくり休める環境を整えましょう。
家族やパートナーが理解し協力することで、本人のストレスや不安が軽減され、症状の改善にもつながります。
こうしたサポートがあるだけで、PMSやPMDDの辛さを一人で抱え込むことなく、安心して日常生活を送る助けになります。
生理前の気分の落ち込み(PMDD・PMS)の予防法
PMSやPMDDの症状を予防するためには、日頃から生活習慣を整えることが大切です。
予防法 | 概要 |
バランスのよい食事 | 栄養バランスを意識し、ビタミンB6やマグネシウムを多く摂取する |
適度な運動 | ウォーキングやストレッチ、ヨガで体をリラックスさせる |
睡眠の確保 | 1日7〜8時間の睡眠を心がけ、自律神経を整える |
ストレス管理 | 趣味の時間やリラクゼーションを取り入れ、心の安定を保つ |
カフェイン・アルコールを控える | 症状を悪化させる原因となるため、適量に抑える |
このような生活習慣の改善を日常に取り入れることが、ホルモンバランスを整え、PMSやPMDDの予防につながります。
まとめ|生理前の気分の落ち込みは早めの対処で症状を改善しよう
生理前の気分の落ち込みや体調不良は、多くの女性が経験する症状ですが、適切なケアや治療によって改善ができます。
セルフケアや専門医のサポートを活用しながら、無理せず自分に合った対策を見つけていきましょう。
横浜よりそいメンタルクリニックなどの専門医療機関に相談することで、早期改善の一歩を踏み出せます。ひとりで悩まず、周囲のサポートや専門医と一緒に向き合っていくことが大切です。