「夜になると毎日腹痛が起こるのはなぜ?」
「夜間の腹痛を軽減・予防する方法はある?」
上記のような悩みを抱える方も少なくないでしょう。
夜になって毎日腹痛が起こる原因には、消化器系の疾患が関係していると考えられます。特に胃腸に関する問題を抱えていることが多いため、これらの原因を特定するのが重要です。
本記事では夜になると毎日腹痛が起こる原因や、対処法をまとめました。最後までお読みいただければ、夜間の腹痛に関する悩みを解決できるでしょう。
なお、毎日夜になると腹痛が起きることに悩んでいる場合は、横浜よりそいクリニックへご相談ください。夜間の腹痛の原因を特定し、症状に合わせた対策方法をご提案しています。
夜になると毎日腹痛が起こる主な原因
夜になると毎日腹痛が起こる原因として考えられるのは、主に以下の3つです。
- 感染性胃腸炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 過敏性腸症候群
それぞれの疾患を詳しく解説します。
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌による感染で胃腸が炎症を起こす疾患です。
ノロウイルスやロタウイルスが原因となることが多く、冬季に流行する傾向にあります。
主な症状は腹痛・下痢・嘔吐・発熱などで、汚染された食品や水の摂取が感染経路となります。夜間になると痛みが増すのは、腸の動きが緩やかになるためです。
基本的には適切な水分補給をして安静にしていれば改善しますが、症状が重い場合は、医療機関の受診が必要になるでしょう。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸の過剰分泌やピロリ菌感染が原因の疾患です。
胃や腸の粘膜が損傷を受けており、夜に胃酸の分泌が高まることで、痛みが悪化します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍を放置すると、重篤な合併症を引き起こしかねません。
例えば出血や穿孔などにつながり、そこから別の疾患につながるおそれもあります。胃潰瘍・十二指腸潰瘍を防ぐには、定期的な内視鏡検査が必要です。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(IBS)は、胃腸の機能に異常がなくても腹痛や便通異常が続く疾患です。
精神的ストレスや腸の運動異常が原因で、食生活が乱れている場合に悪化しやすいとされています。
症状としては便秘や下痢が発生し、両方をともなうことも珍しくありません。また、夜間の痛みも顕著になりやすいことから、悩まされる人も多くいます。
過敏性腸症候群は生活習慣の見直しが重要ですが、それだけでは改善しないこともあります。そのため、医師による適切な治療と診断が重要です。
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群は、腸が過剰に反応し、痛みや不快感を引き起こす疾患です。慢性的に腹痛や不快感が引き起こされますが、消化器に異常は認められません。
主にストレスや食生活が症状を悪化させる要因となるため、これらの改善が必要になるでしょう。
症状の特徴としては、以下の通りです。
- 便通の異常
- 慢性的な症状の継続
- 検査で異常が見つからない
過敏性腸症候群では、下痢や便秘のいずれか、もしくはその両方が症状として現れます。
原因がわからずにストレスとなることも多いため、不明点がある場合は、医師への相談も検討してみてください。
過敏性腸症候群が夜間に腹痛を引き起こす理由
過敏性腸症候群が夜間に腹痛を引き起こす理由は、主に以下の3つが考えられます。
- 日々のストレス
- 腸の神経が過敏になっている
- 腸内細菌叢が乱れている
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
日々のストレス
過敏性腸症候群は、日々のストレスによって引き起こされる疾患です。ストレスを感じると自律神経に影響を及ぼし、腸の働きを乱す要因になりかねません。
特に日中に感じたストレスが夜間に影響を及ぼし、腸が過剰に反応するおそれがあります。
これによって下痢や便秘を引き起こすこととなり、夜間の痛みにつながってしまうのです。ストレスを溜めないためには、リラクゼーションや趣味の時間を取り入れることが効果的です。
人それぞれ適した方法は異なるため、自分に合ったストレス解消の方法を見つけてください。
腸の神経が過敏になっている
過敏性腸症候群を患っている場合、腸の神経が過敏になっている可能性があります。
そのため、わずかな刺激でも痛みを感じやすいと考えられるでしょう。
特に夜間は夜間は腸の働きが活発になり、日中に食べたものが消化される過程で腸が刺激されることがあります。
腸の過敏性を抑えるには、食生活を見直すことが大切となります。必要であれば、薬を処方してもらい、服用も検討してみてください。
腸内細菌叢が乱れている
腸内には数百種類以上の細菌が存在し、バランスが保たれていることで健康の維持につながります。
腸内細菌叢の乱れはストレスや食生活の乱れによって引き起こされるため、これらの管理が重要になるでしょう。
仮に腸内細菌叢が乱れてしまうと、腸内ガスの発生や腸の働きが不調をきたします。結果として腹痛を引き起こす原因となってしまうため、注意しなければなりません。
腸内環境を改善するには、プロバイオティクス食品や食物繊維が効果的です。
普段の食生活から取り入れられるものもあるため、食生活の見直しも実施してみるとよいでしょう。
夜になると毎日腹痛が起こる原因としてほかに考えられる理由
夜になると毎日腹痛が起こる原因として、過敏性腸症候群以外に考えられるのは以下の2つです。
- 消化器系の疾患
- 食事や飲み物の影響
それぞれどのように影響するのか、詳しく解説します。
消化器系の疾患
消化器系疾患は、胃や腸などの臓器に問題が生じることです。特に胃炎、逆流性食道炎、大腸憩室症などは夜間に症状が現れやすい疾患です。
この種の痛みが夜間に集中するのは、食事の時間や消化活動の周期、さらにストレスや生活習慣の影響が関係しています。
これらの消化器系の疾患があると、腹痛の原因になりかねません。
消化器系の疾患は、症状が慢性化するリスクも十分にあります。適切な治療を受けることが、症状の改善に不可欠です。
食事や飲み物の影響
食品や飲み物が消化器官に負担をかけたり、胃腸の働きを乱したりするのが、夜間の腹痛を引き起こす主な要因です。
たとえば、高脂肪食や揚げ物、スパイシーな料理は、消化に多くの時間と労力を必要とし、胃腸に負担をかけるため、夜間に腹痛を引き起こしやすくなります。
特に寝る直前にこれらの食品を摂取すると、胃の働きが活発になりすぎ、胃酸の分泌が増えて痛みを感じることがあります。
また、食事の時間が遅い場合も消化を妨げてしまい、腹痛の原因になりかねません。夜間の腹痛を避けるには、できるだけ夕食の時間を早めるとよいでしょう。
加えて脂っこい食べ物やアルコール、カフェインや辛い食品を避けて、腸への刺激を控えるようにしてください。
夜に腹痛が起きたときの対処法
夜に腹痛が起きてしまったときは、以下4つの方法で対処するとよいでしょう。
- お腹を温める
- 姿勢や体位を工夫する
- 痛み止めを服用する
- 翌日病院に行って診てもらう
緊急時にも活用できる方法となっているため、痛みに悩む場合は、ぜひ試してみてください。
お腹を温める
夜間に腹痛が起きてしまったら、まずお腹を温めてみるとよいでしょう。血流が改善されて腸の働きが和らぎ、痛みの改善につながることが期待できます。
お腹の外側から温める場合は、ホットパックや温タオルを使用するのが一般的です。また、温かい飲み物を摂って、内側から温めるのも効果的と言われています。
もしお風呂に入れるのであれば、全身を温めてリラックスするのもよいでしょう。心身ともに落ち着きを取り戻すことで、腹痛の改善が期待できます。
姿勢や体位を工夫する
姿勢や体位を工夫するのも、夜間の腹痛を改善する方法です。特に効果的とされているのは、横向きで膝を軽く曲げる姿勢で「胎児の姿勢」と呼ばれています。
この姿勢は腸にかかる圧力を軽減できるため、結果として痛みの緩和に期待できるでしょう。
また腰や背中に枕やクッションを挟み、身体を支えながら、適切なポジションを見つけるのも効果が期待できます。
胃腸への負担を軽減したい場合は、心臓よりも足の位置を少し高くして寝るのがよいでしょう。
痛み止めを服用する
温めたり姿勢を工夫しても痛みが改善されない場合は、痛み止めの服用も検討してみてください。市販の鎮痛剤や整腸剤などで構いませんので、適切に使用しましょう。
他の方法と違って即効性にも期待できるため、心身にかかるストレスも軽減できます。
ただし、薬によって改善されるとは限りません。痛みが強い場合は医師に相談し、処方薬を用意してもらいましょう。
また、痛みが繰り返す場合は服用記録をつけ、それを基に医師に相談するのも一つの方法です。
翌日病院に行って診てもらう
夜間の腹痛の原因を知りたい場合は、痛みが発生した翌日に病院に行きましょう。できるだけ早く受診すれば、重篤化するリスクを避けられます。
また、腹痛の他に症状がある場合や、体調に違和感がある場合はすぐに相談しましょう。
医療機関でしっかりと検査を受け、詳しい原因を把握するのが大切です。
普段の生活から夜間の腹痛を予防する方法
普段の生活から夜間の腹痛を予防したいのであれば、以下3つの方法を実践してみてください。
- 食事を見直す
- 睡眠をしっかりととる
- 運動の習慣を取り入れる
いずれも重要なポイントとなるため、できるだけ早いタイミングから取り入れてみるとよいでしょう。
食事を見直す
夜間の腹痛を予防するためには、普段の食事を見直す必要があります。バランスのよい食生活を心がけ、夕食には消化によい食品を選びましょう。
また、夜遅い時間の食事や暴飲暴食を避けることも重要です。過度な食べ過ぎや不規則な食事時間を避けることで、胃腸への負担を軽減できます。
アルコールやカフェイン、辛い食べ物もできるだけ控えることで、腸への刺激が少なくなるでしょう。
睡眠をしっかりととる
睡眠をしっかりとるのも、夜間の腹痛を予防する方法となります。十分な睡眠をとることで、腸の働きを整え、自律神経の正常化にも期待できます。
就寝前はスマートフォンやパソコンなどの使用を控えて、光の刺激を受けないようにしましょう。
また、就寝前のリラックスルーティンを取り入れるのも効果的です。
睡眠時間も、できるだけ同じだけ確保するようにして、十分な休息をとるようにしてください。
運動の習慣を取り入れる
普段の生活に運動習慣がない場合は、運動を取り入れるのもよいでしょう。軽い運動を日常的に行えば、腸の動きを活性化できます。特に夕方以降の運動は、夜間の消化を助けるのにも効果的です。
なお、運動の強度は決して高いものでなくて問題ありません。
ウォーキングやストレッチなど、数十分でできる運動を、毎日継続するのが大切です。
毎日夜間の腹痛に悩まされることで起こりうる日常への影響
毎日夜間の腹痛が起きてしまうと、日常生活に以下のような影響を及ぼすと考えられます。
- 睡眠不足に陥る
- ストレスの原因になる
上記の内容を詳しく見ていきましょう。
睡眠不足に陥る
夜間の腹痛が毎日起こると、睡眠不足に陥る可能性があります。中途覚醒や入眠困難が続いてしまい、疲労感が蓄積するおそれがあるでしょう。
腹痛が長期化すると、長期的な睡眠障害に発展する可能性も否めません。
仕事や学業などへの影響も考えられるため、できるだけ早く腹痛を解消する必要があるでしょう。
ストレスの原因になる
腹痛を感じることが多いと、ストレスの原因にもなりかねません。特に夜間の痛みには不安がともなうため、精神的な負担も増大するでしょう。
これにより日中のパフォーマンスや対人関係に悪影響を及ぼすこともあります。
腹痛によってストレスが溜まると、他の健康問題も招くおそれがあるため、悪循環となってしまうでしょう。
夜になると毎日腹痛が起こる場合過敏性腸症候群の可能性が疑われる
夜になると毎日腹痛が起こる原因にはさまざまなものがありますが、その中でも過敏性腸症候群の可能性は十分にあります。
特に夜間の腹痛を引き起こしやすいとされている疾患であるため、他に原因がない場合は、まず疑って問題ないでしょう。
過敏性腸症候群を改善するには、適切な診断と生活習慣の見直しが不可欠です。できるだけ早く改善できれば、心身ともにストレスを軽減できます。
横浜よりそいクリニックでは、夜間の腹痛が起きた際の原因を知るサポートや、過敏性腸症候群の治療体制を整えております。
今回紹介している症状に心当たりがある場合や、不安を感じている場合は、一度ご相談ください。