「最近、子どもがイライラしたり落ち込んだりして様子がおかしい」
「勉強はしているようだけど無気力な時が多い気がする」
「ちゃんと寝ていると言ってるけど、いつもダルそうにしている」
受験生の子どもをもつご家庭では、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。このような症状は、もしかすると受験うつが原因かもしれません。受験うつにはさまざまな症状や特徴があります。
本記事では、受験うつのサインや原因、受験うつが及ぼす影響を解説したうえで、治療方法や周囲ができる対策について詳しく紹介します。
大切な子どもが、受験うつよってつらい思いをするのは避けたいもの。本記事を読んで、受験うつに対する正しい理解と具体的な対策について学んでいきましょう。
受験うつとは
受験うつは、受験期に発症するうつ病の通称です。近年、20歳未満のうつ病発症数が増加しており、受験が要因の一つとされています。
受験というと大学受験や高校受験がイメージされやすいですが、中学受験でも発症することがあります。
そもそもうつ病とはショックなできごとやストレスが重なり、脳がパンク状態となって精神状態が不安定になることです。うつ病の症状は一見すると「怠けている」「わがままを言っている」と見られがちですが、本人にはどうすることもできないうつ病特有の症状であるとの理解が必要です。
またうつ病は、日本人の約16人に1人が一生のうちにかかる病気で、決してめずらしい病気ではありません。
受験うつの治療で必要なのは、本人自身はもちろんですが、それ以上に周囲の人々が受験うつのサインに気づくことが重要であり、早期の対応やサポートが必要不可欠です。
受験うつのサイン
受験うつのサインには、本人が自覚する症状と、周囲から見て取れるサインがあります。これから説明するサインが現れた場合、受験うつの可能性があります。
子ども本人が気づく変化
- 悲しい、憂鬱な気分、沈んだ気分
- 何事にも興味がわかず、楽しくない
- 疲れやすく、元気がない、楽しくない
- 気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう、何もする気がしない)
- 寝つきが悪くて、朝早く目がさめる
- 食欲がなくなる
- 人に会いたくなくなる
- 夕方より朝方の方が気分や体調がわるい
- 心配ごとが頭から離れず、考えが堂々めぐりする
- 失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
- 自分を責め、自分は価値がないと感じる
ご家族や周囲が気づく変化
- 以前と比べて表情が暗く、元気がない
- 体調不良の訴え(身体の痛みや倦怠感)が多くなる
- 仕事や家事の能率が低下、ミスが増える
- 周囲との交流を避けるようになる
- 遅刻、早退、欠勤(欠席)が増加する
- 趣味やスポーツ、外出をしなくなる
- 飲酒量が増える
受験うつの原因3タイプ
受験うつの原因は主に3タイプに分類されます。
- プレッシャー型
- モチベーション低下型
- 比較競争型
以下にそれぞれ解説します。
プレッシャーによるもの
一つ目は、ご家族や先生、親しい人など周囲からの大きな期待やプレッシャーが要因となって発症するタイプです。
子どもが周囲の期待に応えようと頑張るも、成績が上がらなかったり目標に達しなかったりすると精神的に負担がかかります。その結果、自身で感情をコントロールするのが難しくなり、イライラや他者への要求が増えてくるのです。エスカレートすると暴言や暴力がみられ、周囲も困惑する場面が増えてきます。
単に周囲を傷つけてストレスを発散したいのではなく「心配してほしい」や「助けてほしい」という口にできない想いを行動に出している可能性もあります。
モチベーションの低下によるもの
二つの原因は、モチベーションの低下によるものです。
受験期には高い目標を達成するために努力するものの、思うような成果が得られないことがあります。自信を失い、勉強へのモチベーションが低下するのは受験うつの要因になります。
「頑張って勉強しているのに、成績がまったく上がらない。もう何をやっても無駄だ」
「受験勉強でずっと頑張ってきたのに、模試の結果が伸びない。自分に自信が持てなくなった」
このように、モチベーションの低下による受験うつは、成果が得られないことで自信を失い、やる気が著しく低下してうつ病を発症するケースです。
周囲との比較や競争によるもの
三つ目の原因は、周囲との比較や競争によるものです。
受験期には多くの受験生が同じ目標を追い求めており、他者との比較や競争が激しくなることがあります。このような状況で自分と他者を比べてしまい、自己評価が低下すると、劣等感が増大します。
「友人が模試で自分より良い結果を出している。自分なんか全然ダメだ」
「クラスの中で自分は落ちこぼれだ。自分の努力なんて報われないんだ」
このように比較競争による受験うつは、周囲との比較や競争によって自己評価が低下し、劣等感を抱くことによって発症するケースです。
受験うつが及ぼす影響3つ
受験うつになると、勉強や生活に以下の影響が出るといわれています。
- 成績が目に見えて悪くなる
- 日常生活に支障がでる
- 長引くと健康そのものが損なわれる
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.成績が目に見えて悪くなる
受験うつに限らずうつ病になると、集中力や記憶力が低下することが分かっています。
うつ症状により、受験生の注意力が散漫になり、勉強への集中が困難になると急激に成績が低下していくのです。
実際に、
- うつ病になってから、勉強に集中できなくなった
- 記憶力が悪くなり、テストの成績が急に悪くなった
- 気分が乗らず、勉強に取り組むことができない
- 授業の内容を思い出すのが難しくなった
といった症状を訴える子どももいます。
このように、うつ症状による記憶力の低下や注意力散漫、やる気が出ないなどの症状が原因で、成績が悪くなるといった影響が出る可能性があります。
2.日常生活に支障がでる
睡眠不足や食欲低下、感情のコントロール困難、無関心などの症状が現れた場合、日常生活に支障をきたすことがあります。
- 眠りが浅くなり、毎晩眠れない。
- 朝起きると疲れが残っていて集中力が低下してしまう。
- 食欲がなくなり、食事をすることが苦痛。
- 体重が減少して、体力的にきつい。
このように、受験うつの症状は日常生活にも大きな影響を及ぼすこともあるのです。
3.長引くと健康そのものが損なわれる
うつ状態が長期にわたって続くと、記憶力の低下や自発性の低下に伴い生活リズムが大きく乱れます。
生活リズムが乱れると、ホルモンバランスに影響を与えるため、うつ病の悪化を招くという悪循環におちいってしまうのです。
さらに注意すべきなのが、周囲への依存が高まることで、子ども自身の力で行動するのが難しくなることです(自発性の低下)。健康への影響を最小限に止めるためには早期発見と適切なケアが必要となります。
受験うつの診断方法
うつ病の診断は、専門の医師によっておこなわれます。受験うつは一般的な診断名ではありませんが、受験が原因と思われるうつ病に対して「受験うつ」という表現が使われます。
うつ病は目に見えないため、ご本人から話をうかがいながら判断していかざるを得ません。質問の仕方や評価の方法は、診断する医師によって異なるため、明確な診断基準はありません。
しかし近年では、欧米を中心に診断基準方法を用いた診断(DSMー5やICDー10など)が増えつつあります。
それによりある程度、統一した診断が可能であり、より適切なケアを受ける環境が整ってきたといえるでしょう。
うつ病の診断は、医師が問診により患者さんの心の声に耳を傾け、症状や特徴を総合的に評価して診断されます。早期の診断と適切な治療を受けることが、子どもの健康回復につながります。
うつ病チェックをしてみよう
うつ病の可能性を確認するためには、SRQ-D(東邦大式調査票)と呼ばれる診断ツールを利用するのが有効です。
SRQ-Dは自己報告形式であり、短い質問文に回答することによって、うつ病の症状を評価します。回答内容に基づいてスコアが算出され、一定の基準を超える場合はうつ病の可能性が高いとされます。
自己報告形式であるため、子どもの協力を得ながら回答するとよいでしょう。
SRQ-Dはあくまで自己評価のツールであり、うつ病の診断を下すものではありません。うつ病の診断には医師の判断が必要なことを覚えておきましょう。
※質問2、4、6、8、10、12(ピンクの部分)に関しては加点しません。
いいえ(0点) | はい | |||
ときどき(1点) | しばしば(2点) | つねに(3点) | ||
1.体がだるく疲れやすいですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
2.騒音が気になりますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
3.最近気が沈んだり、気が重くなることがありますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
4.音楽を聞いて楽しいですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
5.朝の時間、特に無気力ですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
6.議論に熱中できますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
7.首筋や肩がこって仕方がないですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
8.頭痛持ちですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
9.眠れない、または朝早く目覚めることがありますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
10.事故やけがをしやすいですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
11.食事がすすまず、味がないですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
12.テレビをみて楽しいですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
13.息が詰まって胸が苦しくなることがありますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
14.のどの奥に物がつかえている感じがしますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
15.自分の人生をつまらなく感じますか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
16.仕事の能率があがらず、何をするのもおっくうですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
17.以前にも現在と似た症状がありましたか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
18.本来は仕事熱心で几帳面ですか | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ | ◻︎ |
判定
合計点 | |
10点以下 | 【抑うつなし】 これからもストレスをためない生活を続けましょう。 |
11〜15点 | 【境界領域】 精神的疲労が蓄積されています。積極的に休養を取りましょう。 |
16点以上 | 【抑うつ傾向あり】 うつ病の可能性がありますので、早めに医療機関で受診しましょう。 |
受験うつの治療方法
受験うつの治療方法は主に以下の4種類です。
- 十分な休養と環境調整
- 抗うつ薬などの薬物療法
- 認知行動療法などの精神療法
- 反復経頭蓋磁気刺激療法(TMS治療)
以上の4つの治療法に加え、うつ病治療に対して「漢方薬は効果がないの?」という疑問についても順番に解説します。
1.十分な休養と環境調整
うつ病治療の治療の土台の1つとなるのが休養です。受験勉強や学校などで受けたストレスを軽減するのが最優先です。
うつ病になる方の性格的な特徴として、責任感があり真面目な点があげられます。学校を休むのはもちろんのこと、早退したり遅刻したりするのでさえ拒む子どももいます。そのような場合には、医師や担任の先生と相談して休みやすい環境を整えてあげることが大切です。
2.抗うつ薬などの薬物治療
抗うつ薬はうつ病の治療に広く使用される治療方法ですが、「小児を対象としたうつ病の治療には抗うつ薬の処方を慎重に行うべきだ」という見解を国は示しています。
賦活症候群(ふかつしょうこうぐん)に注意が必要
小児などの若年者に抗うつ薬を投与すると、場合によって「賦活症候群(ふかつしょうこうぐん)」という中枢刺激症状が引き起こされる可能性があるためです。
賦活症候群の症状としては、
- 不安になる
- 焦燥感におそわれる
- パニック発作が起こる
- 不眠になる
- 怒りっぽくなる
- 多弁になる
- 衝動的に自殺を図ろうとする
があります。
引用:厚生労働省「SSRIなど抗うつ薬6種類の『使用上の注意』改訂を要請」
抗うつ薬を子どもに使用する場合は観察が必要
抗うつ薬は賦活症候群を引き起こすデメリットがありますが、比較的安価に治療が可能で、通院頻度も比較的少なくてすむメリットがあります。
医師と相談した結果、抗うつ薬を使用するのは問題ありませんが、ご自宅や学校での観察は必要不可欠です。抗うつ薬を使用するにあたり、子ども本人と相談するのはもちろんのこと、親しい人や学校の先生にも協力が得られるかどうか確認してから使用するのがよいでしょう。
3.認知行動療法などの精神療法(心理療法)
精神療法は受験うつの治療において重要な役割を果たす方法の一つです。特に認知行動療法は、うつ症状の改善や対処方法の獲得に効果があるとされています。
認知行動療法は自分の思考や行動を見直すための精神療法
「認知」とは、私たちが自分自身や他の人、あるいは周囲についてどう考えているかを指します。たとえば、「自分は何もできない」とか「あの人は私を嫌っている」という考え方のことをいいます。
「行動」は、私たちがどう行動するか、どういうおこないをするかを指します。たとえば、友達に会う、勉強する、テレビを見る、などの行為です。
認知行動療法では、うつ病の人が自分の「認知」つまり、考え方や見方が、どのように自分の「行動」に影響しているかを一緒に考えていきます。
そして、その考え方や行動が問題を引き起こしている場合、どのように改善するかを一緒に考えていくのが認知行動療法です。
認知行動療法の具体例
「テストが怖いから勉強できない」と悩んでいるとしましょう。認知行動療法では、まずその「テストが怖い」という思いがどこから来ているのかを考えてみます。
その理由を評価し、原因が判明したところで今度は、「テストが怖いと思う」ことを少しずつ変えていく方法や、勉強をするための新しい「行動」を一緒に考え、実際に行動していくのです。
このように、認知行動療法では、自分の思考や行動のパターンを見つめ直し、それを改善することで、悩みを解決していく方法を学びます。
4.反復経頭蓋磁気刺激療法(TMS治療)
反復経頭蓋磁気刺激療法(TMS治療)は、抗うつ薬の効果がみられない場合に選択される治療法です。
磁気刺激によって脳の神経細胞を刺激し、うつ病の症状を改善する技術です。
回数を重ねるごとにうつ病の症状が緩和するのが特徴で、副作用がほとんどありません。
TMS治療は、
- 抗うつ薬を飲んでいるが効果を実感できない方
- 抗うつ薬の副作用がつらい方
- そもそも抗うつ薬に抵抗がある方
におすすめです。
ただし、治療の対象となるためには条件があること、頻繁に通院する必要があることなどから、医師と相談しながら決めていく必要があります。
5.その他治療|漢方薬
漢方薬は、受験うつの治療で検討されることがありますが、科学的な根拠が乏しいのが実際のところです。ただし、個人の体質によってうつ症状の一部を緩和する可能性もあります。
また、抗うつ薬の効果を補ったり、抗うつ薬の副作用を軽減する目的で処方される場合もあります。
周りでサポートする方ができる5つの受験うつ対策
受験勉強を頑張っている子どもの異変に気付いた時に、親としては何とか力になってあげたいものです。
しかし、周囲の何気ない一言や態度で症状が悪化する可能性があるため、受験うつに関する知識が乏しいままむやみに関わるのは控えましょう。
この章では、周りでサポートする方ができる5つの受験うつ対策をポイントを押さえながら解説します。
とにかく話を聞いてあげる
子どもの様子がおかしいと感じた時は、とにかく話を聞いてあげましょう。話を聞いてあげるだけでも症状が落ち着く子どもが多くいます。
ただし注意したいのが、根掘り葉掘り様々なことを聞いてしまうことです。
- 言いたくないことは言わせない
- 原因探しをしない
- 過度に励まさない
- 無理にいつもとちがうことをしようとしない
以上のポイントに気をつけてじっくりと話を聞いてあげるようにしましょう。
また、「言いたくなった時はいつでも聞いてあげるよ」や「私はあなたの味方よ」と言葉や態度で示して安心させてあげることも大切です。
十分な休養を取らせてあげる
受験勉強やストレスが原因で、うつ状態にあるときは身も心も疲れきっている状態です。思い切って学校を休ませたり受験勉強から離れさせたりして、休養をとらせましょう。
心身が疲れきっている状態で受験勉強を続けてもうつ症状が悪化し、さらには勉強も頭に入ってきません。
焦る気持ちも分かりますが、「急がば回れ」の気持ちでゆっくりと休ませてあげましょう。
- 受験はまた挑戦できるから落ちても大丈夫だよ
- 受験よりあなたの健康が大事だよ
以上のように伝えることで子どもは安心して休養をとることができるでしょう。
生活のリズムが整うようサポートする
受験うつから心身の健康を取り戻すためには、睡眠が大切です。
睡眠不足に陥ると、抗ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されます。
コルチゾールが過剰に分泌された状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、うつ症状の悪化や記憶力低下につながります。
- 朝と夕の食事を一緒に摂るようにする
- 一定の時間になったら就寝するように声をかける
- 受験勉強には睡眠時間の確保が重要なことを伝えてみる
以上のように、生活リズムが整うようサポートをしていきましょう。
散歩やジョギングを日課にする
子ども一人では、運動をする習慣が身につかないかもしれません。
コミュニケーションをとる時間を確保する意味でも、ぜひ親子で一緒に運動をする習慣をつけましょう。
散歩やジョギングなどの運動はうつ症状の緩和に効果があると証明されています。
世界保健機関(WHO)は、心身の健康づくりのために「5〜17歳の子ども・未成年者は1日あたり60分の、中〜高強度の身体活動をすること」を推奨しています。
しかし、うつ症状がある子どもにとって毎日60分の運動をするのはハードルが高いものです。
そのような場合は、
- 1日10分でもいいから散歩やジョギングに出かける
- 動画を見ながら一緒にストレッチをする
など、比較的簡単な運動から取り入れるようにしてみましょう。
また、運動をすると身体が疲れるため、質の良い睡眠を得られる可能性があります。生活リズムの改善を図る意味でも、ぜひ運動する習慣を身につけましょう。
専門医に相談してみる
受験うつが疑われる場合、受診する診療科は精神科や心療内科になります。最初は抵抗があるかもしれませんが、不安な場合はできるだけ早めに専門医に相談することをおすすめします。
受験うつは早期治療が効果的であるため、少しでも早く正確な診断と助言をもらうのが大切です。ただし注意しなければならないのが、子どもの意に反して無理やり病院に連れて行くことです。
無理やり病院に連れ出すと、子どもが心を閉ざし、本当のことを教えてくれない可能性があります。また、親子の信頼関係が崩れ、今後の治療に影響を及ぼすことも考えられます。
そのような場合には、まず医療機関に相談をしてみましょう。場合によっては往診をしてくれたり、受診をするタイミングのアドバイスをくれたりします。
子どもの受験うつが疑われる場合には、専門医への相談を検討しましょう。
受験うつはご家族のサポートと専門的な治療が必要
受験うつは、受験期の学生が発症するうつ病の通称です。うつ病は決してめずらしい病気ではありませんが、いざ自分の子どもがうつ病になると不安や心配な気持ちでいっぱいになるでしょう。
受験うつを克服するには、周囲のサポートが必要不可欠です。本人と双方向のやりとりを通じて「意思決定」をおこない、医療者と連携して治療にあたることが大切です。
また、周囲でサポートする人が子どもを心配するあまり、体調を崩す方もいます。共倒れを防ぐためにも、サポートする方の体調管理も必要です。
そういった面でも、専門の医療機関のサポートを受けながら多方面と協力しながら、子どものサポートをしていきましょう。