「暑さに弱い原因はなに?」
「自律神経失調になると暑さに弱くなる?」
上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
自身が暑さに弱く、ほてりを感じるのは、自律神経失調症の初期症状で、自律神経の乱れ(交感神経と副交感神経のバランスが崩れていること)によるものです。
自律神経失調症の人が暑さに弱い原因や病院に行くべき症状も解説します。
「なぜだかほてりを感じる」「どうすれば良くなるのかな」と思っているひとにぜひ読んでいただきたい内容です。
なお、専門医への相談を考えている方は、横浜よりそいメンタルクリニックがおすすめです。診療実績豊富な専門医が多数在籍していて、環境・設備も充実しています。
これって自律神経失調症?暑さに弱い原因は脳のオーバーヒート
自律神経失調症の人が暑さに弱い原因として、脳のオーバーヒートが考えられます。
自律神経は体内の温度調節を含む多くの機能を管理しており、正常な状態であれば、暑い環境下でも体温を調整して快適な状態を保てます。
しかし、自律神経が乱れていると、この温度調整機能が正常に働かず、体温が過剰に上昇する仕組みになっています。
つまり、暑さに弱いのは自律神経失調症だからではなく、自律神経の乱れが原因です。
脳がオーバーヒートする仕組み
脳は体温の調整を担う非常に重要な器官であり、その中心には視床下部があります。
視床下部は自律神経系を通じて体内の温度を感知し、必要に応じて発汗や血管の拡張・収縮を促進して体温を調整する場所です。
自律神経失調症が発症すると、この視床下部と自律神経系の機能が乱れ、体温調整がうまく行われなくなります。
通常、暑さを感じた際には脳が迅速に体温を下げるために汗をかくように指示を出し、血管を拡張して熱を放出させるのですが、自律神経失調症の状態では、この反応が遅れたり不完全になったりします。
結果として、脳自体が過度に熱を持ち、オーバーヒートの状態になることがあります。
自律神経失調の人が暑さに弱い原因
自律神経失調の人が暑さに弱い原因は、主に以下3つの要素が考えられます。
- 環境要因
- 精神的なストレス
- 身体的なストレス
詳しく解説します。
環境要因
自律神経失調症の人が暑さに弱い原因の1つに、環境要因が挙げられます。
現代の生活環境は、気温や湿度の急激な変化が多く、特に夏場のエアコンによる室内外の温度差や都市部でのヒートアイランド現象など、身体にとって負担の大きい状況が頻繁に起こります。
通常であれば、交感神経が働いて血流を調整し、体温を適切に保とうとしますが、自律神経失調症の人の場合、この切り替えがうまくいきません。
体温が上昇しやすくなり、暑さに弱いと感じる原因となるでしょう。
精神的なストレス
ストレスは自律神経のバランスを崩し、結果的に体温調節機能にも影響を与えます。理由は、精神的なストレスがかかると、交感神経が過剰に働く状態が続きやすくなるからです。
ここでいう精神的なストレスとは、主に以下の通りです。
- 人間関係の悩み
- 将来に対する不安
- 自己肯定観の低さによる自己否定
上記のようなストレスを抱えると、心拍数や血圧を上昇させるなど、必要な反応を引き起こします。
しかし、この状態が長時間続くと、副交感神経が適切に働かなくなり、リラックスして回復する機能が損なわれます。
そうなると、体温調節が十分に機能しなくなり、外部環境の暑さに対して敏感になるでしょう。
身体的なストレス
身体的なストレスとは、体が日常的に受ける物理的負荷や、体調不良、過労、慢性的な痛みなどによって引き起こされる状態です。
労働時間が長いことや休息不足、身体への負担が大きい動作と単調な作業の繰り返しなどが主な原因としてストレスにつながります。
身体的なストレスが継続すると、交感神経が優位な状態が長引きます。
この状態が続くと、身体の自然な回復機能やリラックス機能を担う副交感神経の働きを抑制し、体温調節機能を含む多くの自律神経系の働きが鈍化するのです。
体が熱を効果的に放散できず、暑さに対する耐性が低下する要因となるでしょう。
自律神経失調症疑惑によって生じる暑さに弱い状態を改善させる方法とは
自律神経失調疑惑によって生じる暑さに弱い状態を改善させる方法は、主に以下の通りです。
- 朝は太陽の光を浴びる
- きちんと睡眠をとる
- 適度な運動をする
- 趣味を楽しんだり音楽を聴いてリラックスしたりする
- 寝る直前にスマートフォンをいじらない
- 40℃前後のぬるま湯に入る
- 起床後にコップ1杯の水を飲む
詳しく解説します。
朝は太陽の光を浴びる
暑さに弱い状態を改善するためには、朝の時間帯に太陽の光を浴びる習慣を取り入れるのが効果的です。
太陽光には体内時計を整える役割があり、これが自律神経のバランスを保つための重要な要素となります。
朝の太陽光を浴びれば、脳内でセロトニンの神経伝達物質が分泌されます。
セロトニンは、夜間にはメラトニン(睡眠ホルモンの原料)として利用されるため、規則正しい睡眠リズムの形成に役立つのが特徴です。
暑さへの適応能力を低下させる要因となるため、セロトニンの分泌を促す朝の光浴は暑さへの耐性向上に直結します。
きちんと睡眠をとる
睡眠は自律神経を整えるうえで必要な要素です。睡眠中、身体は副交感神経が優位になりリラックス状態に入ります。そのため、日中の活動で蓄積された疲労の回復が可能です。
この回復過程で、体温の自然な低下が起こり、翌日の体温調節機能がリセットされる仕組みが働きます。
十分な睡眠がとれていない場合、このリセット機能が十分に機能せず、体温の調節がうまくいかなくなるため、暑さに対して敏感になりやすくなります。
一般的に、適切な睡眠時間は7時間〜8時間です。適切な睡眠が取れると、交感神経と副交感神経のバランスが整い、身体が暑さに適応しやすい状態を取り戻すことができるでしょう。
適度な運動をする
適度な運動を行えば、血液循環が改善され、全身の代謝が活性化します。体温調節機能が向上し、外部の温度変化に対する適応力の向上が可能です。
また、運動中は交感神経が活性化しますが、運動後のリラックス状態では副交感神経が優位になります。
このプロセスを繰り返すことで自律神経の切り替えがスムーズになり、結果的に体温調節能力が向上できるでしょう。
趣味を楽しんだり音楽を聴いてリラックスしたりする
趣味を楽しむことは、心を満たしストレスを軽減する自然な方法です。
たとえば、絵を描く、ガーデニングをする、音楽を楽しむなど、自分の好きなことに没頭する時間は、日常生活のプレッシャーから解放される貴重なひとときとなります。
このような活動を通じて、副交感神経が優位になり、身体がリラックス状態へと導かれます。また、趣味の種類を問わず、ポジティブな気持ちを引き出すものを選ぶことも大切です。
ポジティブな感情は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑え、心身の安定を促進します。
心身のストレスを軽減し、自律神経のバランスを整える上では、趣味を楽しんだり、音楽を聴いたりしてリラックスするのが大切です。
寝る直前にスマートフォンをいじらない
寝る直前にスマートフォンをいじらないことも大事です。スマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、脳に強い刺激を与えてしまいます。睡眠を誘発するホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまい、結果として睡眠の質が低下するのです。
寝る前はスマートフォンの画面や、テレビを見ないことです。それが、質のよい睡眠につながります。
良質な睡眠をとることで、日中に優位になった交感神経を休ませ、夜間に副交感神経をしっかりと働かせるリズムを作り出せます。
40℃前後のぬるま湯に入る
ぬるま湯に入ることで得られる効果の1つは、体内の熱の放散を促し、暑さによるストレスの軽減です。特に自律神経失調症の人は、体温調節がうまく機能しない場合があります。
このような場合、冷たい水に触れると交感神経が過剰に刺激されてしまい、かえって緊張が高まる可能性があります。
一方、40℃前後のぬるま湯は、皮膚を適度に温めながら、身体の芯の熱を徐々に放散させるため、身体が自然な形でクールダウンするのを助けます。
ぬるま湯に入る時間は、15〜20分程度を目安にするのが理想的です。
起床後にコップ1杯の水を飲む
睡眠中は身体が水分を消費しているため、起床時には軽い脱水状態になっていることが多いです。
この状態を放置すると、血液が濃縮されて循環が悪くなり、熱が体外にうまく放散されなくなります。
結果、暑さに対する耐性が低下し、自律神経の乱れを引き起こす原因となるでしょう。起床後すぐに水を飲むことで、体内の水分を補い、血液の流れをスムーズにできます。
起床後にコップ1杯の水を飲むことによって、腸が刺激されて、副交感神経が高まり自律神経が整います。
暑さに弱い状態を放っておくと自律神経失調症になる恐れがある
暑さに弱い状態を放っておくと、症状によっては自律神経失調症になる恐れがあるものもあります。
ここからは、下記2つの項目を深掘りしていきます。
- どういう症状が出たら病院に行くべきか
- 自律神経失調症を疑った場合に受診すべき病院の種類とは
詳しく解説します。
どういう症状が出たら病院に行くべきか
暑さにばててしまい、下記の症状が出たら、病院に行くのがよいでしょう。
- めまいや立ちくらみが頻繁に発する
- 寝ても疲れが取れない
- ひどい発汗(冷や汗や夜間の多汗)
詳しく解説します。
めまいや立ちくらみが頻繁に発する
暑さに対して敏感になり、めまいや立ちくらみが頻繁に起こる場合、体内の血液循環が不安定になっている可能性があります。
不安定になってしまうのは、自律神経の動きが悪くなり、体温調節や血圧の調整が正常に行われなくなっているサインです。
たとえば、立ち上がった瞬間にめまいを感じたり、軽い動作でもふらつく場合、それは血圧が一時的に急激な変化を起こしていることを示しています。
こうした状態が繰り返されると、交感神経と副交感神経のバランスがさらに崩れ、自律神経失調症のリスクが高まります。
もしめまいや立ちくらみが頻繁に起こる場合は、医療機関に相談してみましょう。
寝ても疲れが取れない
寝ても疲れが取れない状態が続く場合、自律神経失調症の兆候である可能性があります。
寝ても疲れが取れない慢性的な疲労感は、自律神経の乱れや睡眠の質の低下が原因の場合が多いです。
また、ホルモンバランスの乱れや血流や代謝が低下している場合もあります。
睡眠環境を整えたり、ストレスを軽減させる努力をするなどの対策法もありますが、あまりにも続くようだと、甲状腺機能低下やうつ病になる恐れもあるでしょう。
自律神経の乱れが原因であるか、他の病気が隠れているかを確認するためにも、早めに病院を受診し、専門医の診察を受けることが大切です。
ひどい発汗(冷や汗や夜間の多汗)
暑さに弱い状態を放置し、ひどい発汗が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
特に冷や汗や夜間の多汗などは、自律神経の乱れが深刻化しているサインです。
特に夜間の多汗は、睡眠中に体温調節がうまくいっていない証拠であり、副交感神経が正常に働かず、身体がリラックスできていないことが考えられます。
これらの異常な発汗が続く場合、身体は慢性的な水分不足に陥るリスクがあり、より症状を悪化させてしまう恐れがあるため、早期の対応が必要です。
自律神経失調症を疑った場合に受診すべき病院の種類とは
自律神経失調症を疑った場合、主に以下の病院の受診を検討しましょう。
- 内科
- 心療内科
- 精神科
内科は、身体の不調が主に表れている場合に最初に受診する診療科です。
自律神経失調症は、動悸やめまい、過剰な発汗、消化不良など、身体的な症状として現れることが多いため、内科でこれらの症状の原因を調べられます。
心療内科は、身体症状の背景に心理的な要因が絡んでいる可能性がある場合に適しています。
自律神経失調症は、ストレスや不安、抑うつ状態が引き金となることが多いため、心療内科では、身体と心の両面からアプローチしてもらえるでしょう。
精神科では、うつ病や不安障害といった精神的な病気の診断を行い、自律神経失調症の症状との関連性を調べます。
また、精神科は薬物療法の選択肢が広く、抗不安薬や抗うつ薬の調整を含む専門的な治療が可能です。
自律神経失調症を疑った場合は早めに相談しに行くのがおすすめ
急に暑さに弱くなってしまった場合、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが大切です。
このまま放置しておくと、身体のホルモンバランスがより乱れてしまい、結果的に自律神経失調症につながってしまいます。
血液を循環させて体温の巡りをよくする必要があり、規則正しい生活を心がけたり、適度に休憩をとったりなど、自分で対策できることは行いましょう。
もし症状が改善されず、自律神経失調症を疑う場合は、医療機関で診てもらうのも必要です。
横浜よりそいメンタルクリニックでは、自律神経失調症の診察も対応しており、診療実績豊富な専門医が適切な治療を行います。土日の診察も行っているので、ぜひご相談ください。