産後うつとは、出産後に発生するうつ病のことで、ストレスや過去のうつ病経験が影響しているといわれています。
本記事では、産後うつの主な症状や原因、治療法を解説します。くわえて、マタニティブルーズとの違いや3つのセルフケアも紹介しているので、産後うつかもしれないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
また、産後うつの治療は横浜よりそいメンタルクリニックにご相談ください。経験豊富な専門医が在籍しており、環境面や設備面も充実していて、専門的な治療を受けられます。
産後うつのよくある5つの症状とは?
まずは、産後うつのよくある5つの症状を解説します。
- 気力がわかない
- 寝不足なのに眠れない
- 自分の子どもがかわいく思えない
- マイナス思考に陥ってしまう
- 物事への興味がなくなる
上記のよくある症状を感じた場合は、産後うつの可能性があります。
産後うつは日常生活に支障が出るパターンが多いため、症状がひどい場合は早めに専門医へ相談するとよいでしょう。
気力がわかない
気力がわかないと感じるのは、産後うつのよくある症状です。
産後うつになってしまうと気力がわかないことがあり、以下のようなことができなくなる可能性が高まります。
- 入浴
- 洗い物
- 洗濯
- 歯磨き
- 着替え
産後うつは普段できていたことができなくなり、日常生活に支障をきたす場合がほとんどです。
日常生活に支障をきたすほどひどい症状であれば、医療機関への受診をおすすめします。
寝不足なのに眠れない
寝不足なのに眠れない症状も産後うつの特徴です。産後うつになると不眠の症状が出やすく、眠りが浅くなってしまう場合があります。
寝る際にいろいろなことを考えてしまいなかなか寝付けず、眠りが浅いことで夜泣きなどがなくても目覚めてしまうことがあるかもしれません。
不眠は疲労を溜め込むことにつながってしまい、症状が加速度的に悪化しやすい原因になります。
自分の子どもがかわいく思えない
自分の子どもがかわいく思えないのも、産後うつの症状として挙げられます。
産後はホルモンバランスの急激な変化で、精神的に不安定になる場合が少なくありません。
体調がなかなか回復しないことで余裕がなくなり、自分の子どもがかわいく思えなくなる可能性があります。また、子どもに対する理想が高く、現実とのギャップが原因でかわいく思えない場合もあるでしょう。
意識するだけで改善できれば問題ありませんが、症状が2週間以上続く場合は産後うつの可能性があるため、注意が必要です。
マイナス思考に陥ってしまう
産後うつを発症すると、マイナス思考に陥ってしまうことがあります。
産後に「私は親失格だ」「私の育て方が悪いからダメなんだ」など、マイナス思考になりがちです。
完璧主義や責任感が強い人がマイナス思考になりやすく、理想と現実のギャップに悩むことで自己評価が下がってしまう可能性があります。
マイナス思考に陥ってしまい日常生活に影響が出てしまう場合は、恥ずかしがらず専門医に相談するのがよいでしょう。
物事への興味がなくなる
物事への興味がなくなってしまうことも産後うつの場合は考えられます。
「何をやっても楽しくない」「人と話したくない」「外出が億劫だ」など、物事への興味・やる気が薄れてしまう場合があります。さらに、普段おもしろいと感じていたドラマやアニメを観てもつまらないと思ってしまうこともあるでしょう。
なんとなく、「おもしろくないな」「楽しくないな」と感じたら、産後うつの可能性を疑った方がよいです。
そもそも産後うつとは?マタニティブルーズとの違いも解説
次に、産後うつの特徴とマタニティブルーズの違いについて解説します。
- 産後うつ
- マタニティブルーズ
産後うつとマタニティブルーズはどちらも出産後に発生する点は同じですが、症状の重症度と持続期間が違います。
症状が2週間以上で日常生活に支障をきたす場合は、産後うつの可能性があるため、早めに医療機関を受診するのがよいでしょう。
産後うつ
産後うつとは出産後に発生するうつ病のことで、育児でのストレスや疲労が影響しているといわれています。
症状が2週間以上続く場合がほとんどで、日常生活に支障をきたす場合が多いです。強い疲労感や不眠、食欲不振など、日常生活に支障をきたすほど、つらい症状が特徴です。
また、自然治癒することは難しく、専門家のアドバイスのうえで治療が必要となります。
マタニティブルーズ
マタニティブルーズは産後うつ症状が似ていますが、症状の持続期間や重症度が違います。
産後うつの持続期間が2週間以上なのに対して、マタニティブルーズは1週間程度で自然回復することがほとんどです。症状も重症化しづらく、日常生活に大きな支障がない場合が多いといえます。
原因としては、出産後の急激なホルモンバランスの低下や育児への不安が挙げられ、治療もとくに必要ない場合がほとんどです。
【チェックリスト】産後うつかどうか判断するチェック項目とは?
産後うつかどうか判断するチェックリストは以下の通りです。
産後うつの可能性がある場合に感じやすい症状をリストアップしたので、自分の状態に当てはまるものがないかチェックしてみてください。
チェック項目 | チェック |
何をしても楽しいと思えない | ◻︎ |
失敗したと感じたとき、必要以上に自分を責めてしまう | ◻︎ |
強い不安を感じる | ◻︎ |
夜あまり眠れない | ◻︎ |
不幸な気分になって、泣いてしまう | ◻︎ |
やることがたくさんあって疲れたと感じる | ◻︎ |
日常生活がうまくできない | ◻︎ |
子どもがかわいく思えなくなった | ◻︎ |
笑えなくなった | ◻︎ |
自分自身を傷つけたり、死にたいと感じることがある | ◻︎ |
産後うつは日常生活に支障をきたす症状が多いです。チェックリストで該当項目が多い場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
産後うつになるかもしれない3つの原因とは?
本章では、産後うつになるかもしれない3つの原因を解説します。
- 精神的・肉体的ストレス
- 周囲のサポート不足
- 過去のうつ病経験
産後うつになりやすい原因は、ストレスや過去のうつ病経験などが考えられます。それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
精神的・肉体的ストレス
産後うつの原因の一つとして考えられているのが、精神的・肉体的ストレスです。
ストレスを多く感じてしまうと不安や睡眠不足につながり、脳機能が低下することで産後うつになるリスクが高まります。
精神的ストレスは、育児へのプレッシャーや生活環境の変化、身近な人との人間関係などが原因です。
赤ちゃんのお世話は初めてのことばかりなため不安を感じやすいほか、育児にともなう友人や家族とのコミュニケーション不足でストレスが溜まってしまう場合もあります。
肉体的ストレスは、育児による睡眠不足や産後によるホルモンバランスの変化により、気分の落ち込みや不安を感じやすくなることが原因です。
とくに産後は、情緒不安定になる場合も少なくないため、前もって意識しておくとよいでしょう。
周囲のサポート不足
産後うつになりやすい原因には、周囲のサポート不足も挙げられます。
周囲のサポートが受けられない状態では、育児に対する負担が大きくなり、ストレスや疲労を溜め込みやすくなってしまいます。
また、相談できる相手が少なくなり、孤独を感じる場合もあるかもしれません。
肉体的な負担だけでなく、精神的不安を減らすためにも周囲のサポートは重要といえます。
過去のうつ病経験
過去にうつ病などの精神疾患の経験がある場合にも注意が必要です。
過去のうつ病経験があると、再度うつ病を発症しやすいといわれています。また、出産後はホルモンバランスの急激な変化によりストレスを感じやすく、産後うつになりやすい環境です。
産後うつは誰でもなる可能性がありますが、過去にうつ病経験がある場合はとくに注意が必要です。
そのため、事前に心の不調になりやすいことを頭に入れておき、産後は心のケアにも気を配ることが大切といえます。
産後うつに対する3つの治療法とは?
本章では、産後うつに対する3つの治療法を解説します。
- 心理療法
- 薬物療法
- 環境調整
産後うつの症状があるからといって、安易に自分自身で治療法を決めるのは、最適な選択ではありません。
治療法の選択は、必ず専門医の指示のもと実施しましょう。
心理療法
心理療法は医師や臨床心理士とカウンセリングし、治療していく方法です。
本人や家族にヒアリングし、マイナス思考を生む原因や患者の人間性・癖などを特定したうえで、改善する方法を模索していきます。
また、カウンセリングには話を聞いてもらうことで孤独感を和らげる効果も期待できます。
産後うつに対する代表的な治療法は、認知行動療法が一般的です。
薬物療法
薬物療法は産後うつを発症している方に対して、薬物による治療を受ける方法です。
薬の投与には副作用もあるため、本人や家族と相談し、治療法を理解したうえで行うことが大切といえます。
産後うつの場合、抗うつ剤を投与することが一般的です。その他には、抗不安剤や睡眠導入剤などがあります。
薬には副作用などの注意点も多いため、専門医と相談しつつ行うことが重要です。間違っても自己判断で薬を飲むのをやめることがないよう、注意しましょう。
環境調整
日常生活で感じるストレスや育児の負担軽減を目的として、環境を調整する治療法もあります。
精神的・肉体的なストレスを軽減するため、以下のような環境調整を行います。
- 周囲の人にサポートをお願いして、育児の負担を減らす
- 悩みごとを相談しやすい環境をつくる
- リフレッシュする時間を設ける
育児を一人で抱え込むことは症状を悪化させる原因の一つです。環境調整はストレスを溜め込みづらいしくみをつくるため、再発防止につなげる効果も期待できます。
産後うつに対する3つのセルフケアとは?
本章では、産後うつに対する3つのセルフケアを紹介します。
- 適度な運動とバランスの取れた食事を心がける
- 家族や友人とのしっかりコミュニケーションをとる
- リフレッシュする時間をつくる
それでは、詳しく見ていきましょう。
適度な運動とバランスの取れた食事を心がける
まずはストレスを溜め込まないよう、適度な運動とバランスの取れた食事を心がけるとよいでしょう。
産後うつの予防には、心と体の健康を保つことが必須です。栄養バランスのよい食事や適度な運動を行えば、健康状態を保てるかもしれません。
食事は栄養バランスを意識したうえで、ビタミンやミネラルをしっかりと摂ることを意識します。運動はジョギングやストレッチ、散歩など軽い運動でもいいので、日常的に行うことが大切です。
まずは、自分がやりたいなと思えるものから取り入れていき、無理のないよう継続していきましょう。
家族や友人としっかりコミュニケーションをとる
家族や友人とコミュニケーションを密にとることも大切です。
産後うつは、周囲のサポートを受けられず、ストレスやタスクを溜め込むことで症状が悪化します。育児を一人で抱え込まないためにも、家族や友人に相談して育児を分担してもらうことが重要です。
また、家族や友人としっかりコミュニケーションをとることで、自分自身では気づけない精神的・肉体的変化に気づける場合があるため、症状悪化を未然に防ぐことへつながります。
家族や友人に頼るのは恥ずかしく遠慮がちですが、疲れを溜め込むのは産後うつにつながる恐れがあるため遠慮せず、つらい場合は周りを頼るようにしましょう。
リフレッシュする時間をつくる
育児で感じたストレスを解消するためのリフレッシュも大切です。
パートナーや家族、ときには友人に育児を協力してもらい、リフレッシュする時間を確保しましょう。
具体的なリフレッシュ方法は以下のようなものがおすすめです。
- 深呼吸をする
- ストレッチをする
- 好きな音楽を聴く
- お風呂に入る
- 自分の趣味を楽しむ
人間は休息なしには疲弊してしまいます。適度にリフレッシュすることで、産後うつのリスクを下げ、子どもともしっかりと向き合えるでしょう。
産後うつで悩んだ際の相談先3選
最後に、産後うつに悩んだ際の相談先3選を紹介します。
- 専門医
- 家族・友人
- 保健センター
産後うつの場合、一人で抱え込むのはよくありません。産後うつの症状がつらい場合や相談先に悩む場合は、専門医に相談するのがよいでしょう。
専門医
産後うつで悩んだ際は、専門医へ相談するのがおすすめです。
何度もいうように、産後うつは日常生活に支障をきたす場合が多いです。症状を放置してしまうことで、深刻な状態になることも少なくありません。
専門医であれば、症状に対して専門的なアドバイスを行えるうえ、適切な治療法から完治するまでサポートまで可能です。
以下の症状がみられる際には、産後うつの可能性があります。
- 気力がわかない
- 寝不足なのに眠れない
- 自分の子どもがかわいく思えない
- マイナス思考に陥ってしまう
- 物事への興味がなくなる
産後うつは日常生活に支障が出るほど症状がひどくなる場合が多いです。症状の兆候や悩み、ストレスを感じた際には、なるべく早く専門医まで相談するのがよいでしょう。
家族・友人
家族や友人などの話しやすい人も、相談先として挙げられます。
家族や友人は身近な存在なため、比較的話しやすく相談しやすい傾向にあります。
気軽に相談できるため、育児のサポートをお願いしたり、悩みごとを打ち明けることでストレス軽減につながる可能性が高いです。
「やることが多く疲れる」「やる気が起きない」「気分が落ち込む」などを感じた場合の一歩目として家族・友人に相談するのは、症状を悪化させないためにも有効といえます。
保健センター
身近に相談相手もいなくてかかりつけの専門医もいない場合には、保健センターに相談するのもありです。
保健センターでは、産後うつに対して電話やメールにて相談を受けつけています。お悩み相談から専門的なアドバイスまでもらえるため、ストレスや悩みを一人で抱え込んでしまうことを防止できます。
まずは保健センターに相談したのち、専門医を紹介してもらい、医療機関を受診する流れでもよいでしょう。
産後につらいと感じた場合は早めの受診を
本記事では、産後うつの5つの症状や原因、治療法を詳しく解説し、3つのセルフケアも紹介しました。
産後うつは、で、決して一人で抱え込んではいけません。
気力がわかなかったり、マイナス思考に陥ってしまい日常生活に支障をきたす場合は、医療機関への受診検討を強くおすすめします。
当院では産後うつはもちろん、不安障害や育児ノイローゼなどの精神疾患も含め幅広く対応が可能です。
当日予約OKでアクセスも良く、設備面も充実していて通院しやすい環境が整っています。ぜひ横浜よりそいメンタルクリニックまでご相談ください。