夜中に何度も目が覚めてしまう方は、中途覚醒の症状の可能性があります。中途覚醒とは、睡眠障害の症状のひとつです。
本記事では、中途覚醒が生じてしまう原因と対策、治療法を解説します。眠りが浅い方、睡眠の質が悪くてすぐ起きてしまう方はぜひ参考にしてください。
また、睡眠の悩みを抱えている場合は医療機関の受診がおすすめです。
横浜よりそいメンタルクリニックでは、中途覚醒をはじめとした睡眠障害について相談できます。経験豊富な専門医が在籍しており、環境面や設備面も充実しているので、専門的な治療を受けられます。
睡眠障害による中途覚醒とは?
中途覚醒とは、夜中に何度も目が覚めてしまう症状で睡眠障害の一種です。
一度や二度、夜中に目が覚めてしまうことはよくあります。しかし、回数が多かったり眠りにつくまでに時間がかかると、中途覚醒の可能性があります。
中途覚醒が引き起こす問題点は、まとまった睡眠が取れず、日中の集中力の低下がみられることです。学校生活や仕事のパフォーマンスにも影響するので早めの対処が必要です。
原因はおもにストレスが関係していますが、それ以外の原因で起こることもあります。
治療法は薬物療法と認知行動療法がメインです。つらい症状が続いている場合は専門医に相談しましょう。
睡眠障害による中途覚醒が発生してしまう8つの原因
中途覚醒の主な8つの原因は以下の通りです。
- ストレス
- うつ病などの精神疾患
- 薬や物質による副作用の影響
- アルコール摂取の影響
- 夜間頻尿
- 睡眠時無呼吸症候群
- むずむず脚症候群
- 加齢による影響
原因を知ることで予防につながります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ストレス
ストレスは、中途覚醒の大きな要因です。仕事の不安やプレッシャーなど、日常生活でストレスを受けることは誰しもありますが、それが長期的に続いたりうまく解消できなかったりすると要注意です。
入眠の際はリラックスが重要ですが、ストレスを抱えているとうまくリラックスができなくなります。
寝付けても睡眠の質が悪く、夜中に何度も起きてしまったり疲労が取れない日が続くかもしれません。
中途覚醒が続く場合はストレスを軽減させたり、病院に相談してみましょう。
うつ病などの精神疾患
うつ病の症状のひとつに睡眠障害があります。夜中に何度も起きてしまう原因は、うつ病が隠れているからかもしれません。
中途覚醒のほかに、気分の落ち込みが何日も続いていたり、身体が重くて何もやる気が起きないなどの症状を感じていたらうつ病が原因の可能性があります。
ひどくなる前に精神科・心療内科を受診しましょう。適切な治療により、症状が改善する可能性が高いです。
薬や物質による副作用の影響
薬の副作用による影響で睡眠の質が悪くなることがあります。たとえば、以下の薬の副作用が考えられるかもしれません。
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もし定期的に薬を服用している方で、中途覚醒をはじめとした睡眠障害に悩まれていたら、主治医に「薬による副作用の影響はないか」を確認してみるといいでしょう。
また、カフェインやたばこに含まれるニコチンも覚醒作用があるため、睡眠障害を引き起こしやすくなります。特に寝る前の摂取は控えておきましょう。
アルコール摂取の影響
アルコールには寝付きをよくする一方で、眠りが浅くなってしまう作用があります。
眠りが浅くなってしまうと、深い睡眠が得られず夜中に起きてしまう原因になります。また、飲酒後は体内の水分が排出されやすくなり、夜中にトイレで目が覚めることが増えるでしょう。
これらの理由により、特に寝る前のアルコールの摂取は中途覚醒の原因です。
飲酒してから眠ることが習慣化している方は、睡眠障害が慢性化してしまうため、やめることをおすすめします。
夜間頻尿
夜間頻尿とは夜中に一回以上、トイレで起きてしまう症状で、年齢を重ねると夜間頻尿になる方が増える傾向があります。
原因は加齢のほかにも、前述した寝る前のアルコールやカフェインによる影響や、糖尿病・高血圧などの病気により起こることもあります。
また、高齢者は夜中の歩行での怪我や骨折のリスクが高まるため、早めの治療が必要です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は中途覚醒の原因になるほか、重大な病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、主に肥満などの影響で睡眠中に気道が狭くなって無呼吸状態になる疾患です。息が吸えなくなり、苦しくて夜中に何度も目覚めてしまいます。
そして、治療せずに放置してしまうと生活習慣病も重なって、心臓病や脳卒中に発展してしまうことがあります。
夜中に息苦しくて目が覚めることが多かったり、いびきのうるささを家族に指摘されたことがある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
睡眠の質が改善するだけでなく、命に関わる病気のリスクも減らせるため、早急な対処が肝心です。
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群とは、脚に不快な感覚が生じて動かさずにはいられなくなる疾患です。
特に、じっとしている時や横になっている時に症状を感じやすいです。なかなか眠りにつけなかったり、入眠できても脚の不快な感覚で目が覚めてしまって、睡眠の質を低下させてしまいます。
原因は完全には解明されていません。脳内の神経伝達物質のひとつであるドーパミンの機能障害や、鉄不足が関係していると考えられています。
そのため治療では、鉄剤を補充したり、ドーパミンの分泌を促す薬が用いられたりします。
加齢による影響
年齢を重ねると体内時計が乱れやすく、睡眠のサイクルが変化して中途覚醒を引き起こしやすくなります。
深い睡眠をとることが難しくなり、睡眠の質が低下します。老化による身体的な不調や、慢性的な疾患も中途覚醒の要因のひとつです。
できるだけ運動をするように心がけたり、寝る前にリラックスすることを大事にすると、睡眠の質が改善されるでしょう。
【今日からできる】睡眠障害による中途覚醒の改善が期待できる対策7選
本項では、睡眠障害による中途覚醒の改善が期待できる対策7選を紹介します。
- 就寝前のスマ-トフォンの使用を控える
- 睡眠のリズムを一定にすることを心がける
- 瞑想やストレッチなどでリラックスする
- アルコールやカフェインの摂取をなるべく控える
- 日中に適度な運動をする
- 寝室の環境を整える
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
病院での治療とあわせておこなってみると、より効果的なのでぜひ取り入れてみてください。
就寝前のスマ-トフォンの使用を控える
就寝前のスマートフォンの使用は、睡眠の質を悪くするので控えましょう。
スマートフォンからの強い光は脳を覚醒させてしまい、入眠前のリラックスを妨げます。また、スマートフォンから出ているブルーライトは、メラトニンという睡眠に必要なホルモンの分泌を妨げてしまいます。
寝る1〜2時間前からスマートフォンを見るのを避けると、睡眠の質が良くなって中途覚醒の改善が期待できるでしょう。
ブルーライトを抑制する効果のある保護シートを貼ってみるのもおすすめです。
睡眠のリズムを一定にすることを心がける
規則正しい生活は、睡眠にもよい影響を与えます。毎日決まった時間に就寝して、決まった時間に起床する生活を続けると睡眠のリズムが作られます。
睡眠のリズムが一定に保たれると、体内時計が調整されてよい睡眠ができるようになるでしょう。夜中に起きることも少なくなります。
休日もなるべく起きる時間を変えず、変えても1〜2時間の幅にとどめるようにしておきましょう。
瞑想やストレッチなどでリラックスする
就寝前に瞑想やストレッチをすると、眠りにつきやすくなるだけでなく、深い睡眠を得られます。
瞑想は、深呼吸をしながら、意識を呼吸に向けてみてください。心拍数が落ち着いてきて、日中働かせた頭をお休みモードに変えてくれます。時間は、初心者の方は5分から始めてみましょう。
ストレッチも同様にリラックス効果があるため、就寝前におすすめです。日中にこわばった筋肉をしっかりほぐすと、血流が良くなって睡眠しやすくなります。
スマートフォンは触らずに、ゆったりとした一日の締めの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
アルコールやカフェインの摂取をなるべく控える
先述した通り、アルコールやカフェインなどは睡眠障害を引き起こしやすいため、特に就寝前の摂取は控えましょう。
寝る前のアルコールの摂取は、浅い睡眠の要因となってしまいますし、夜中トイレにいく原因にもなります。
また、カフェインにも覚醒作用があることを忘れてはいけません。
- エナジードリンク
- コーヒー
- 紅茶
そこでおすすめしたいのが、カフェインの入っていないハーブティーや、カモミールティーです。
リラックス効果があり、ストレスや不安を軽減してくれます。覚醒作用もないため、就寝前に飲んでも心配ありません。
ただ、飲み過ぎて夜中のトイレにいかないように注意しましょう。
日中に適度な運動をする
日中の適度な運動は、中途覚醒を含めた睡眠障害にはもちろん、体調の維持にも重要です。
運動をすると血行がよくなり、ちょうどいい疲労も感じることで睡眠の質が良くなります。
そして運動と同時に、日光を浴びるとより効果的です。眠気を促すホルモンであるメラトニンが、日光の光を浴びることによって、夜に分泌されやすくなるためです。
夜におこなっても効果はありますが、あまり激しい運動は交感神経を活性化させてしまうのでやめておきましょう。
身体に負担をかけすぎない適度な運動が大事です。
寝室の環境を整える
夜中に目が覚めてしまう方は、寝室の環境を見直してみてはいかがでしょうか。
- 枕、マットレス、布団
- 寝室の温度・湿度
- 寝室の電気や外の光
朝起きた時に首や肩が凝っていたら、枕の高さがあっていない可能性があります。
マットレスや敷き布団は、適度な硬さのものを選びましょう。柔らかすぎると背骨が曲がりすぎてしまい、眠りにくいだけでなく、腰痛の原因にもなります。
反対に硬すぎると骨に痛みを感じたり、血流が妨げられたりするので注意しましょう。
また、寝室の温度は20度前後、湿度は40%〜70%が適切といわれています。室内灯は暖色系がリラックスできるためおすすめです。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
眠気は、脳の温度が下がるときに出やすくなります。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かると体温が一時的に上昇し、睡眠の時に下がっていくので、眠りにつきやすくなります。
温度は40度前後がおすすめで、入浴のタイミングは就寝の2〜3時間前が理想です。半身浴でも効果があるとされています。
リラックス効果もあり、深い睡眠が得られるため、睡眠障害には大きな効果が期待できます。
自分の体調や好みに合った入浴スタイルで、質の高い睡眠を手に入れましょう。
もし中途覚醒で夜中に目覚めてしまったら
もし、中途覚醒で夜中に目が覚めてしまったらどうすればいいのでしょうか。結論としては、無理に寝ようとしないことです。
中途覚醒は一度目が覚めてしまうと、再度眠りにつくのが難しくなります。布団の中で「寝なきゃいけない」と思いすぎてしまうと、焦りが生まれてストレスになってしまいます。
余計に疲れる原因にもなるので、一度布団から離れてゆっくり深呼吸してみましょう。温かいカモミールティーを飲んだり、軽く読書をするのもおすすめです。
睡眠障害による中途覚醒の3つの治療法
睡眠障害による中途覚醒には、主に3つの治療法があります。
- 薬物療法
- 認知行動療法
- 専門医からの生活アドバイス
日常生活に支障をきたしている場合は早めの受診をおすすめします。ひとつずつみていきましょう。
薬物療法
睡眠障害の薬物療法には、主に睡眠薬が使用されます。睡眠薬は、種類によって作用する時間が異なります。中途覚醒の治療に求められる睡眠薬は作用時間がある程度長いものが多いです。
重要なのは、医師の判断や指示にしたがって、適切に服用することです。
近年では、依存性や副作用が少ないタイプの睡眠薬も開発されています。
認知行動療法
うつ病や不安障害で用いられることの多い認知行動療法ですが、睡眠障害にも効果があります。具体的には、睡眠障害の原因となる行動や思考パターンを修正し、睡眠の質を高めていきます。
たとえば「刺激制御法」という方法では、不眠が続くことで脳が「寝室は眠れない場所」と意識づけている可能性があり、それを修正していくのです。
- 眠る時だけ寝室を使うようにする
- 寝室で睡眠以外の行動はしない
- 眠れなかったときは、寝室から離れる
「薬にどうしても抵抗感がある」と思っている方は、専門家の指導のもと、認知行動療法を試してみましょう。
専門医からの生活アドバイス
専門医からの生活アドバイスも、治療には重要です。規則正しい生活ができているか、できていない場合は何を改善すべきなのか、などの指導を受けて思わぬ改善のきっかけが得られることもあります。
また、専門医からの生活アドバイスを実際に受けてみると、それだけで気持ちが楽になってよく眠れることもあります。
大事なのは一人で悩まずに、話を聞いてもらうことです。睡眠の悩みをずっと抱えたままにしていると、ストレスが蓄積されて余計に睡眠障害が悪化してしまいます。
ストレスや不安が強い場合には、心療内科や精神科の医師に相談するのがおすすめです。
睡眠障害の中途覚醒が続く場合は病院へ
中途覚醒は夜中に何度も目が覚めてしまう睡眠障害の症状のひとつで、原因は主にストレスが大きいです。
浅い睡眠が続くと、疲労が抜けず、日中の集中力や気力に影響が出ます。本記事で紹介した対処法をためしてもなかなか改善しない場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
当院では睡眠障害による中途覚醒のお悩みはもちろん、うつ病などの精神疾患も含め、広く対応が可能です。
アクセスも良く、土日も診療しており、設備面も充実していて通院しやすい環境が整っています。ぜひ横浜よりそいメンタルクリニックまでご相談ください。