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フィナステリドで肌が綺麗になる?ニキビへの影響や「老いる」という噂の真相を解説

フィナステリドで肌が綺麗になる?

「フィナステリドを飲み始めたら、なぜか肌が綺麗になる」 「フィナステリドを飲んで老いる…?」「フィナステリド飲むとニキビに影響がある?」「フィナステリドはやばい?

AGA(男性型脱毛症)の治療を検討中、あるいは治療中の方の中には、このような髪以外の変化について疑問を抱く方が少なくありません。本来は薄毛治療薬であるフィナステリドが、なぜ肌質や見た目の年齢印象に影響を与えると言われているのでしょうか。

この記事では、フィナステリドがホルモンバランスに作用する医学的なメカニズムに基づき、「肌が綺麗になる」というポジティブな噂と、「老いる」というネガティブな噂の真相を徹底解説します。フィナステリドはオンラインでも気軽に購入できる分、副作用や肌への影響など、しっかり理解して使用しないと後悔することになりかねません。

手軽さやプライバシーの観点から、フィナステリドは通販(オンライン診療)での購入がおすすめです。ただ、利用にはリスクや注意点もあるため、安全なクリニックの選び方などを詳しく解説したこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むことで、期待できる副次的なメリットと本来のリスクを正しく理解し、デマに惑わされることなく、納得してAGA治療に取り組めるようになります。

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本記事は、医師国家資格を保有し、国立病院機構といった公的機関の最新知見に基づき、10年以上にわたってAGA治療(内服・外用薬、注入療法、毛髪再生医療)に従事してきた編集部医療チームが監修しました。

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目次

フィナステリドで肌が綺麗になるメカニズムと皮脂への影響

フィナステリドで肌が綺麗になるメカニズムと皮脂への影響

フィナステリドは決して「美肌になる薬」や「ニキビ治療薬」として処方されるものではありません。しかし、その薬理作用を紐解くと、結果として肌質が良い方向へ変化するケースがあることは否定できません。その鍵は、皮脂分泌に深く関わる男性ホルモンの働きにあります。

このセクションで解説するポイントは以下の通りです。

  • DHT(ジヒドロテストステロン)の抑制:皮脂を増やす原因物質を減らす働きがあります。
  • ニキビへの影響:過剰な皮脂が原因のニキビには、好影響を与える可能性があります。
  • デュタステリドとの比較:理論上の皮脂抑制効果はデュタステリドの方が強力です。

皮脂分泌を促すホルモンDHTを抑制する働き

フィナステリドが肌質に影響を与える最大の理由は、**DHT(ジヒドロテストステロン)**という強力な男性ホルモンの生成を抑える点にあります。

AGAの主犯格とされるDHTですが、実は髪の毛の成長を阻害するだけでなく、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を強力に促進する作用も持っています。思春期にニキビが増えたり、男性が女性よりもオイリー肌になりやすかったりするのは、この男性ホルモンの影響が大きいです。

フィナステリドは、テストステロンをDHTに変換する酵素「5αリダクターゼ(II型)」を阻害することで、体内のDHT濃度を低下させます。その結果、DHTによる皮脂腺への過剰な刺激が減り、副次的な効果として顔や頭皮の脂っぽさ(テカリ・ベタつき)が落ち着くことがあるのです。

これはあくまで「副作用(本来の目的とは異なる作用)」の一種ですが、脂性肌(オイリースキン)に悩む男性にとっては、嬉しい誤算として「肌が綺麗になった」と感じられる要因となります。

脂性肌が原因のニキビは改善する可能性がある

「フィナステリドでニキビが治った」という口コミが見られることがありますが、これも前述のDHT抑制作用によるものです。

ニキビができるプロセスは主に以下の3段階です。

  1. 皮脂の過剰分泌
  2. 毛穴の詰まり
  3. アクネ菌の増殖と炎症

フィナステリドはこの第一段階である「皮脂の過剰分泌」に対して、間接的にアプローチする形になります。特に、ホルモンバランスの影響を強く受ける「大人ニキビ」や尋常性ざ瘡(ニキビ)に対しては、皮脂量が正常化することで発生頻度が減る可能性があります。

ただし、全てのニキビに効果があるわけではありません。乾燥が原因のニキビや、食生活・ストレス由来の肌荒れに対しては効果が期待できないばかりか、後述するように逆効果になる場合もあるため注意が必要です。あくまで「AGA治療の過程で、皮脂過多による肌トラブルが減るかもしれない」程度の認識が適切です。

フィナステリドとデュタステリドはどちらが皮脂を抑制するか

AGA治療薬にはフィナステリド(プロペシア)の他に、デュタステリド(ザガーロ)が存在します。もし「皮脂を抑える効果」だけを比較した場合、理論上はデュタステリドの方が強力であると考えられています。

これは、原因酵素である「5αリダクターゼ」の阻害範囲の違いによるものです。

薬剤名阻害する5αリダクターゼ特徴
フィナステリドII型 のみ頭頂部や生え際の毛乳頭に多く分布。
デュタステリドI型II型I型は全身の皮脂腺に多く分布している。

皮脂腺に多く存在し、皮脂分泌に直接的に関与しているのは主に「I型」の5αリダクターゼです。フィナステリドは主に「II型」を阻害する薬であるため、皮脂腺への直接的な影響力は限定的です。

一方、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害するため、皮脂分泌を抑える力がより強い傾向にあります。実際に、重度のニキビ治療においてデュタステリドの効果を検証する研究も一部では行われていますが、ニキビ治療薬として承認されているわけではありません。

フィナステリドを飲むと老いる・顔つきが変わるという噂の真偽

フィナステリドを飲むと老いる・顔つきが変わるという噂の真偽

インターネット上では「フィナステリドを飲むと老ける」「顔つきが変わる」といった不穏な噂が囁かれています。これから治療を始める方にとっては非常に気になる点でしょう。

結論から言えば、医学的にフィナステリドが老化を促進するという根拠はありません。ここでは噂の背景にある心理的な要因や、実際の見た目への影響について検証します。

  • 医学的根拠の不在:薬理作用として「老化」を招くデータはありません。
  • 若返り効果:薄毛改善による視覚的なメリットの方が圧倒的です。
  • やつれて見える要因:性欲減退などの副作用が精神面に影響している可能性があります。

フィナステリドで老いるという根拠はない

まず明確にしておきたいのは、「フィナステリドの服用が身体的な老化を早める」という医学的なエビデンス(科学的根拠)は存在しないという点です。

皮膚の老化(シワ、たるみ)は、主に紫外線による光老化や、加齢に伴うコラーゲンの減少、酸化ストレスなどが原因です。フィナステリドが阻害するDHTは、骨格や筋肉の発達には関与しますが、皮膚の弾力性維持に必須のホルモンというわけではありません。

むしろ、PubMedなどで公開されている男性型脱毛症患者に対するフィナステリドの研究にある通り、フィナステリドは頭皮や血中のDHT濃度を下げるだけであり、それが直接的に顔のシワを増やしたり、皮膚を薄くしたりする作用機序は確認されていません。「薬を飲んで老け込んだ」という話は、個人の主観や、加齢による自然な変化を薬のせいにしているケースが大半であると考えられます。

薄毛が改善することで見た目の若返り効果は期待できる

「老いる」という噂とは対照的に、実際にはAGA治療によって**「見た目年齢が若返る」**ケースの方が圧倒的に多いのが事実です。

髪のボリュームや生え際の位置は、人の第一印象を大きく左右します。

  • 頭頂部の地肌が透けて見える
  • おでこが広く見える

これらは実年齢以上に「老けて見える」大きな要因です。フィナステリドの服用によってヘアサイクル(毛周期)が正常化し、抜け毛が減って髪にコシが出れば、若々しい印象を取り戻すことができます。

多くの患者さんが、治療開始から半年〜1年後には髪が増えたことで自信を取り戻し、表情も明るくなる傾向にあります。マイナスな噂に怯えるよりも、確実な発毛効果によるポジティブな変化に目を向けるべきでしょう。

やつれたように見える場合に考えられる要因

それでも「顔つきが変わった」「やつれた」と感じる人がいる場合、以下のような間接的な要因が関係している可能性があります。

  1. 精神的な副作用の影響 フィナステリドの副作用として、1%未満の頻度ですが「抑うつ症状」や「性欲減退」が報告されています。ホルモンバランスの変化により気分が落ち込んだり、活力が低下したりすることで、表情が暗くなり、結果として「老け込んだ」「やつれた」ように見えている可能性があります。
  2. 初期脱毛によるストレス 治療開始直後に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。この時期に強いストレスを感じ、心労から顔色が悪くなるケースも考えられます。
  3. むくみ(浮腫) 非常に稀ですが、副作用として顔や手足のむくみが生じることがあります。むくみによって顔の輪郭がぼやけ、顔つきが変わったと感じる場合があるかもしれません。

いずれも薬の直接的な老化作用ではありませんが、体調や気分の変化には注意深くあるべきです。

フィナステリドで肌が綺麗になる期待の裏にあるデメリットと乾燥リスク

フィナステリドで肌が綺麗になる期待の裏にあるデメリットと乾燥リスク

「皮脂が減るなら嬉しい」と安易に考えるのは危険です。皮脂は肌を守る重要なバリア機能も担っているため、減りすぎることは逆に肌トラブルの原因となります。

ここでは、皮脂減少によって起こりうる肌へのデメリットについて解説します。

  • 乾燥肌のリスク:必要な皮脂まで奪われ、バリア機能が低下します。
  • 一時的な肌トラブル:ホルモンバランスの変動期に肌荒れが起きることがあります。

皮脂が減りすぎて乾燥肌や肌荒れを招く場合がある

皮脂は「天然の保湿クリーム」とも呼ばれ、肌の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を守る役割を果たしています。フィナステリド、そして特にデュタステリドの服用によって皮脂分泌が抑制されると、元々が乾燥肌(ドライスキン)の人や混合肌の人は、肌の乾燥が加速するリスクがあります。

乾燥が進むと、以下のようなトラブルを招きやすくなります。

  • 肌のカサつき、粉吹き
  • 小ジワの目立ち
  • バリア機能低下による敏感肌化(赤み、かゆみ)
  • 乾燥ニキビ(大人ニキビ)の悪化

「脂性肌だと思っていたけれど、実は乾燥からくる皮脂過多(インナードライ)だった」という場合、薬でさらに皮脂を抑えてしまうと、肌は防御反応として余計に皮脂を出そうとしたり、炎症を起こしたりと悪循環に陥ることもあります。「肌が綺麗になる」というのは、あくまで元々皮脂分泌が過剰な人に限った話であることを理解しておきましょう。

ホルモンバランスの変化による一時的な肌トラブル

フィナステリドを服用し始めると、体内ではテストステロンとDHTのバランスが変化します。人間の身体は恒常性(ホメオスタシス)を保とうとするため、急激なホルモン環境の変化に対し、一時的に肌のコンディションが乱れることがあります。

これは女性が生理周期で肌荒れするのと似たメカニズムです。 治療初期に「ニキビが増えた」「肌が荒れた」と感じる場合でも、身体が新しいホルモンバランスに慣れてくるにつれて、数ヶ月程度で落ち着くことが一般的です。もし症状が長引く場合や悪化する場合は、薬が合っていない可能性もあるため、処方を受けた医師や皮膚科医に相談することをお勧めします。

美肌やニキビ治療目的でフィナステリドを使用すべきではない理由

美肌やニキビ治療目的でフィナステリドを使用すべきではない理由

ここまで「肌への影響」について解説してきましたが、最も重要なことは「フィナステリドはAGA治療薬であり、美肌目的で飲む薬ではない」という大原則です。

  • 適応外使用のリスク:ニキビ治療としての有効性は確立されていません。
  • 本来の副作用:肝機能障害や性機能障害など、無視できないリスクがあります。

あくまでAGA治療薬でありニキビ治療薬ではない

フィナステリド(プロペシア)は、厚生労働省から「男性における男性型脱毛症の進行遅延」の効能・効果で承認されている薬です。「ニキビの治療」や「皮脂抑制」は適応外であり、皮膚科でニキビ治療薬として第一選択されることはまずありません。

ニキビ治療には、外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル)や抗生物質、あるいはビタミン剤など、より安全で効果的な治療法が確立されています。わざわざホルモンバランス全体に影響を与えるフィナステリドを、肌のためだけに使用するのは、コスト対効果の面でも、リスク管理の面でも合理的ではありません。

肝機能障害や性機能低下など本来のリスクを理解する

医薬品には必ず副作用のリスクがあります。フィナステリドの場合、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書にも記載されている通り、以下のような副作用が報告されています。

  • 肝機能障害:薬剤を代謝する肝臓への負担(頻度不明だが重要)
  • 性機能障害:リビドー(性欲)減退、勃起機能不全、射精障害(1〜5%未満)
  • 生殖器への影響:精液量の減少、精巣痛など

これらのリスクは、薄毛を治すという大きなメリットがあるからこそ許容されるものです。「少し肌を綺麗にしたい」という程度の動機で負うべきリスクではありません。安易な個人輸入などで入手して服用することは絶対に避け、必ず医師の診察のもと、AGA治療の目的で正しく使用してください。

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フィナステリド服用中に肌を綺麗に整えるために意識すべきこと

フィナステリド服用中に肌を綺麗に整えるために意識すべきこと

AGA治療としてフィナステリドを服用しながら、健康的な肌も維持したい。そう願うなら、薬の効果に頼るのではなく、日々の生活習慣を見直すことが近道です。

  • スキンケア:皮脂の変化に合わせた保湿ケアが重要です。
  • 生活習慣:食事と睡眠が髪と肌の両方を育てます。

過度な洗顔を控えて保湿ケアを徹底する

フィナステリドの服用で皮脂が減ったと感じる場合、これまでの「脂を落とすケア」を見直す必要があります。

洗浄力の強すぎる洗顔料を使ったり、ゴシゴシと強く擦って洗ったりすると、必要以上に皮脂を奪い、乾燥肌を招いてしまいます。

  • 洗顔料:マイルドな洗浄力のものや、保湿成分配合のものに変える。
  • 保湿:洗顔後はすぐに化粧水と乳液(またはクリーム)で水分を閉じ込める。

特に男性は保湿をおろそかにしがちですが、AGA治療中は頭皮だけでなく顔の保湿も意識することで、乾燥による小ジワや肌荒れを防ぎ、清潔感のある見た目を保つことができます。

薬に頼らず食事や睡眠などの生活習慣を見直す

髪の成長と肌のターンオーバー(生まれ変わり)には、共通して「良質なタンパク質」「ビタミン・ミネラル」「質の高い睡眠」が不可欠です。

  • 食事:髪の材料となるケラチン(タンパク質)や、皮脂分泌をコントロールするビタミンB群(B2、B6)、血行を促進するビタミンEを積極的に摂取しましょう。揚げ物や糖質の摂りすぎは、皮脂過多と薄毛の両方の原因になります。
  • 睡眠:成長ホルモンが多く分泌される睡眠時間を確保することは、髪の毛の発育だけでなく、肌の修復にとっても最強のアンチエイジングです。

不規則な生活や偏った食事をしていては、どんなに良い薬を使っても効果は半減してしまいます。「フィナステリド+健康的な生活習慣」こそが、髪と肌の両方を最高の結果へ導く鍵となります。

フィナステリドと肌への影響に関するまとめ

フィナステリドと肌の関係について解説してきました。結論として、フィナステリドは「肌を綺麗にする薬」ではありませんが、AGA治療の過程でDHTが抑制されることにより、脂性肌やニキビが改善する「嬉しい副産物」が得られる可能性はあります。

記事のポイントをまとめます。

  • フィナステリドはDHTを抑制するため、副次的に皮脂分泌が減ることがある。
  • 皮脂が原因のニキビには効果が期待できるが、あくまでAGA治療薬である。
  • 「老いる」という医学的根拠はなく、むしろ薄毛改善による若返り効果が大きい。
  • 皮脂が減りすぎることで乾燥肌になるリスクもあるため、保湿ケアが重要。
  • 美肌目的での服用は、肝機能障害や性機能障害のリスクに見合わないためNG。

これからAGA治療を始める方は、「髪が生えるついでに、肌の調子も良くなったらラッキー」くらいの気持ちで構えるのが正解です。肌質の変化に過敏になりすぎず、医師と相談しながら、焦らず長期的な視点で治療を続けていきましょう。

当記事の執筆者
当記事の編集者に関する画像

AGA治療に携わった経験のある
編集部医療チーム

【経歴・詳細】

当記事の編集部は、皮膚科医としての豊富な臨床経験と、大学院での専門的な研究成果に基づき、AGA(男性型脱毛症)や男性医療に関する情報発信を行っています。

都内の総合病院および専門クリニックでの勤務時代には、皮膚科専門医として、フィナステリドデュタステリドミノキシジルを用いた内服・外用薬治療から、自毛植毛、メソセラピーといった先進的な治療法まで、幅広く診療にあたってきました。

これらの臨床経験は、国立大学医学部を卒業後、大学院で専攻した皮膚科学(特にAGAをはじめとする毛髪疾患の研究)が基盤となっています。国内学会や論文発表の場でも常に最新の知見を積み重ねており、その専門性を活かして信頼性の高い情報をお届けします。

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