「過敏性腸症候群におすすめの朝ごはんは?」
「控えたほうがよい食べ物や飲み物はある?」
上記のような悩みを抱える方も少なくないでしょう。
過敏性腸症候群の場合、食べる朝ごはんにも注意しなければなりません。仮に食べるものが胃腸に負担がかかるものだと、症状の悪化や発症の原因になる可能性があります。
今回は過敏性腸症候群におすすめの朝ごはんや、控えた方がよい食べ物や飲み物をまとめました。最後までお読みいただければ、過敏性腸症候群の場合にどのような食べ物を選ぶべきかを判断できるでしょう。
なお、過敏性腸症候群が疑われる場合や悩みがある場合は、横浜よりそいクリニックへご相談ください。食事面やその他の治療方法を提案し、症状の改善に向けたサポートを実施いたします。
過敏性腸症候群におすすめの朝ごはんは?
過敏性腸症候群の人におすすめの朝ご飯として、以下の2つがあげられます。
- 水溶性食物繊維を含む食品
- 発酵食品
いずれも腸内環境を整えるのには、欠かせない食品です。それぞれの役割や具体的な食品を詳しく見ていきましょう。
水溶性食物繊維を含む食品
水溶性食物繊維は、腸内でゲル状になり、腸壁を保護する役割を果たします。また、腸内細菌のエサとなる役割もあるため、善玉菌を増やす働きも期待できます。
水溶性食物繊維を多く含む食品には、以下のようなものがあげられます。
海藻類 | 昆布、わかめ、もずく、めかぶ、ひじき |
果物 | キウイ、バナナ、リンゴ |
野菜 | ごぼう、アボカド、オクラ、モロヘイヤ、しゅんぎく |
このほかにもオートミールは水分を吸収し、腸内を潤滑にしてくれるため、おすすめです。
特にミルクやアーモンドミルクと調理すれば、食べやすく栄養バランスも整うでしょう。腸壁を保護するだけでなく、便通を整える効果も期待できます。
そのため、便秘型の過敏性腸症候群に適した朝ごはんといえます。
発酵食品
発酵食品には、腸内フローラを整える効果があります。プロバイオティクスを豊富に含んでいるため、腸内環境の改善には欠かせません。
発酵食品に分類される食品は、主に以下の通りです。
- 納豆
- 味噌
- ヨーグルト
上記の発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌などの有益な微生物も豊富に含まれており、これらは腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑える働きを持っています。
これにより腸内フローラが改善され、IBSによる便秘や下痢の症状を軽減する効果が期待できます。
なお、発酵食品は摂りすぎると、逆効果になってしまうおそれもあります。腹痛を引き起こす原因にもなるため、過剰摂取には十分注意しましょう。
また、乳製品で下痢をしやすい場合、胃腸の調子が悪化する可能性もあります。乳製品も極端に食べすぎないように注意が必要です。
過敏性腸症候群の人が避けるべき食べ物や飲み物
過敏性腸症候群に悩む人には、避けるべき食べ物や飲み物もあります。
- カフェイン
- アルコール
- 脂質の多い食品
- 香辛料
- 不溶性食物繊維
これらの食品はできるだけ避けるようにして、症状の悪化につながらないようにしましょう。それぞれどのような悪影響を及ぼすのか、どのような食品に含まれるのかを解説します。
カフェイン
過敏性腸症候群の症状を緩和するためには、カフェインを含む飲み物や食品を避けるのが重要です。
カフェインは中枢神経を刺激し、覚醒効果をもたらす成分として知られていますが、同時に消化器官にも刺激を与える作用があります。
この刺激は腸の蠕動運動を活発にし、過敏性腸症候群の症状を持つ方には下痢や腹痛を引き起こしやすくする可能性があります。カフェインが含まれる飲み物は、主に以下の通りです。
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特にコーヒーはカフェインの含有量が多いため、できる限り避けるべきでしょう。エナジードリンクも、カフェインが含まれているため推奨されません。
これらの飲み物を好む場合は、摂取する頻度や量を抑えましょう。
アルコール
アルコールは腸への刺激が強く、過敏性腸症候群の症状を持つ人にとって症状を悪化させる要因です。
腸内環境に与える影響は多岐にわたりますが、その中でも特に注目すべきは、腸管の働きを乱す点です。
消化管の運動を過度に活発化させたり、逆に抑制したりする作用を持っています。
また、アルコールは腸の粘膜を刺激し、炎症を誘発する可能性があるため、腸の過敏性をさらに高めることがあります。
腸内細菌のバランスを乱してしまうおそれがあるため、お酒好きの人は注意が必要です。腸内でガスを発生させやすく、腹部膨満感や不快感を引き起こします。過敏性腸症候群にお悩みの方は、可能であればアルコールは飲まないようにするとよいでしょう。
どうしても飲みたい場合は、摂取量を減らすようにしてください。
脂質の多い食品
脂肪分が高い食品は消化管に対する負担が大きく、過敏性腸症候群の症状である腹痛、下痢、便秘、膨満感を悪化させる原因となります。
脂質の多い食品は、腸管の動きを不規則にする特性があります。脂質の多い食品は、主に以下の通りです。
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たとえば、脂肪分が豊富な揚げ物やバターを多く使用した料理を摂取すると、消化が遅れることで腸の活動が過剰に刺激され、結果的に腹痛や下痢を引き起こしやすくなります。
一方で、腸の動きを抑制する場合もあり、これが便秘の原因となることもあります。過敏性腸症候群が気になる場合は、脂質の多い食品をできるだけ避けるとよいでしょう。
香辛料
スパイスや香辛料は、腸の粘膜を刺激するおそれがあります。腸に刺激が加わると過敏性腸症候群の発症リスクを高めるため、できるだけ避けましょう。
香辛料にはさまざまな種類がありますが、唐辛子や故障などはあまり摂取しない方がよいとされています。
使用する場合はできるだけ控えめにして、胃腸への負担を可能な限り軽減しましょう。
不溶性食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2つがありますが、不溶性食物繊維は腸を刺激する場合があります。
食物繊維だからと過剰に摂取するのではなく、摂りすぎには注意する必要があるでしょう。
不溶性食物繊維は、生の野菜に多く含まれます。特にキャベツやブロッコリーは、症状を悪化させる可能性が高いです。
全粒粉パンも健康にはよいとされていますが、過敏性腸症候群には刺激となる場合があります。
これらのことを理解したうえで、普段の食事を見直すことが重要です。
過敏性腸症候群の人が避けるべき「高FODMAP食」とは
過敏性腸症候群に悩む人は「高FODMAP食」と呼ばれる食品を避けるべきと言われています。
「FODMAP」とは発酵性オリゴ糖・二糖類・単糖類・ポリオールの総称で、以下のような症状の原因になりかねません。
- 腸内ガスの発生
- 下痢の発症
- 腹痛の発症
「高FODMAP食」を避ければ、過敏性腸症候群のリスクを軽減するのに効果的です。避けるべき食品の例として、以下があげられます。
果物 | リンゴ、梨、スイカ |
野菜 | 玉ねぎ、ニンニク、カリフラワー |
乳製品 | 牛乳、ヨーグルト |
甘味料 | ソルビトール、フルクトース |
過敏性腸症候群の場合は朝ごはんを抜いても問題ない?
過敏性腸症候群の場合、朝ごはんを抜くのはあまり推奨されません。
短期的に抜くのであれば問題ないとも考えられますが、長期的になると腸の機能が低下するおそれがあります。
朝ごはんを抜くと、空腹の際に胃腸が過剰な働きをしてしまいます。
これにより症状が悪化する可能性があり、過敏性腸症候群による悩みが増してしまうかもしれません。
朝ごはんを控えなければならなかったり、食べる時間がなかったりする場合は、軽食でも口にしましょう。
スムージーやスープなどでも構いませんので、何も食べていない状況を避けるようにしてください。
過敏性腸症候群を改善するための朝食・食事のとり方
過敏性腸症候群を改善するために朝食や食事をとるのであれば、以下の方法を意識してみてください。
- 食事の時間を規則的にする
- 食事の量に気を付ける
- リラックスできる環境で食事をとる
上記を意識すれば、過敏性腸症候群の症状の改善が期待できます。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
食事の時間を規則的にする
過敏性腸症候群の症状を改善したいのであれば、できるだけ食事の時間を規則的にしましょう。
食事の時間を規則的にすれば、腸のリズムが安定します。結果として消化器系への負担も軽減できるため、過敏性腸症候群の改善に期待できます。
また、食事の時間を規則的にすると、排便のリズムを整えられます。食事は便意を促す効果もあるため、1日3食規則的にとるようにしましょう。
食事の量に気を付ける
食事の量に気を付けるのも、過敏性腸症候群を改善するためのポイントです。
一度で多くの食事を摂ると、腸が過剰に刺激されてしまいます。逆に食事が少なすぎる場合も、排便のリズムを狂わせる原因につながります。
また、食事の量に気を付けるのはもちろんですが、栄養価にも注意し、バランスよく食べるようにしましょう。
リラックスできる環境で食事をとる
過敏性腸症候群を改善するには、食事の環境にも注意しましょう。リラックスできる環境で食事を摂るようにすれば、ストレスの原因を排除できます。
食事の時間はしっかり確保し、ゆっくり噛んで食べるようにしてください。
急かされるような状況で食事をすると、ストレスが腸の働きを妨げる要因となります。また、テレビやスマートフォンなどを避けて、静かな環境で食事するのも効果的です。
気を使わない家族や友人と食事をするのも、精神面によい影響を与えてくれるでしょう。
朝食や食事以外で過敏性腸症候群を改善する方法
朝食や食事以外に過敏性腸症候群を改善する方法として、以下の3つがあげられます。
- 生活習慣の見直し
- 薬の服用
- 運動習慣の取り入れ
それぞれの改善方法を詳しく解説します。
生活習慣の見直し
過敏性腸症候群を改善するには、生活習慣の見直しが重要になります。
睡眠時間を十分に確保したり、食事の時間を固定したりなどによって、ストレスの原因を減らせるでしょう。
特に睡眠不足は、腸内環境に悪影響を与えると考えられます。また、生活習慣が乱れていると、自律神経の悪化につながる可能性も高いです。
結果として過敏性腸症候群の原因になるため、生活習慣が乱れている場合は、見直してみましょう。
薬の服用
生活習慣や食事の改善をしても過敏性腸症候群の症状が緩和されないなら、薬の服用も検討してみましょう。
このときに服用するのは、市販薬でなく病院から処方された薬を飲むことが推奨されています。また、過敏性腸症候群の種類によって処方される薬は異なるため、自分に合ったものかを確認しましょう。
たとえば、下痢型の場合は下痢止め、便秘型の場合は便秘薬や整腸剤などの服用がおすすめです。
薬の服用とあわせて生活習慣の改善も継続できれば、より高い改善効果に期待できるはずです。
運動習慣の取り入れ
過敏性腸症候群の改善を目指すのであれば、運動習慣を取り入れることも視野に入れてみてください。
強度の高い運動は必要なく、運動を毎日の習慣に取り入れれば問題ありません。
たとえば、数十分のウォーキングや軽いジョギングなど、自分が無理なく続けられる運動を選びましょう。
なお、運動習慣を取り入れることでストレスの解消や自律神経の改善につながる効果にも期待できます。
逆に無理な運動をすると、過敏性腸症候群の悪化につながる可能性も否めません。生活習慣を整えるのにも役立つため、ぜひ試してみてください。
過敏性腸症候群の場合は朝ごはんに水溶性食物繊維を含む食品や発酵食品が推奨される
過敏性腸症候群の場合、朝ごはんには水溶性食物繊維を含む食品や発酵食品を摂取することが推奨されています。
できるだけ胃腸に負担をかけないような食品を選ぶことが基本になるため、自分の食事を見直してみるとよいでしょう。
その他にも生活習慣の見直しも、症状の改善には欠かせません。自分に合った方法を探りながら、過敏性腸症候群の改善を目指しましょう。
横浜よりそいクリニックでは、過敏性腸症候群の治療にも対応しています。症状が気になる方は早めに当院に相談してください。