「過敏性腸症候群は何科を受診すればよい?」
「過敏性腸症候群の検査はどのように行われる?」
上記のような悩みを抱える方も少なくないでしょう。
過敏性腸症候群が疑われる場合、消化器内科や心療内科を受診するようにしましょう。
過敏性腸症候群の場合はそのまま治療が開始されますし、そうでない場合は別の医療機関を紹介されます。
今回は過敏性腸症候群の受診先や検査方法、治療方法などについてまとめました。
なお、過敏性腸症候群の受診先に悩んでいる方は横浜よりそいクリニックへご相談ください。実際の診察はもちろん、一人ひとりに合った治療方法をご提案いたします。
過敏性腸症候群の疑いがある場合は何科を受診すればよい?
過敏性腸症候群が疑われる場合は、消化器内科や心療内科を受診するとよいでしょう。
仮に消化器に異常がある場合、過敏性腸症候群に近い症状が現れる場合があります。
そのため、本当に過敏性腸症候群なのか、それ以外の病気の可能性がないかなど検査によって総合的に判断されます。
検査を行った結果、過敏性腸症候群と診断されたら治療が開始されます。
【種類別】過敏性腸症候群が疑われる症状
過敏性腸症候群が疑われる症状は、過敏性腸症候群の種類によって異なります。
- 便秘型
- 下痢型
- 混合型
- 分類不能型
実際にどのような症状が出るかについて、詳しく見ていきましょう。
便秘型
過敏性腸症候群の便秘型の場合、腸が緊張状態の時に動きが弱くなる傾向にあります。
便秘型の過敏性腸症候群では、排便の回数が減少し、硬い便が出ることが多く、便が出るまでに時間がかかります。
便秘は数日間続くことがあり、その間に腹部膨満感や不快感が強くなることが特徴です。腸の動きが弱くなることで便秘を引き起こし、腹痛や腹部の膨満感を感じることがあるでしょう。
便自体も出にくくなってしまうことから、排便の際は強くりきまないとなりません。また、便が残った感じが残るのも便秘型の特徴です。便秘型の場合、便に水分が不足している状態となります。
下痢型
下痢型の過敏性腸症候群では急激な便意や緊急性がともない、トイレに駆け込むことが多くなります。
このような症状は、特にストレスや食事が引き金となることが多く、日常生活に支障をきたす場合があります。
急に便意をもよおすことが多いため、日常生活にも影響を及ぼしてしまう可能性が高いでしょう。
たとえば電車の中や仕事の会議中など、緊張する場面で症状が発生するケースも珍しくありません。便の形状は水っぽいのが特徴であり、粘液を持った便であることも多いです。
基本的には排便によって症状が改善するとされていますが、1日に何度も起こることで、悩む人も多いタイプといえます。
混合型
混合型は、便秘と下痢が交互に現れるタイプで、症状が日々または月ごとに変動するのが特徴です。
この型に当てはまると、便秘型と下痢型の両方の症状を経験するため、腸内での動きが不規則になりやすく、予測できない便の状態に困惑することが多くなります。
たとえば便秘型の症状が3日ほど続いたあと、下痢型の症状が3日ほど続くなどがあげられます。混合型は主にストレスが原因で発症するとされており、お腹の状態も不安定になりやすいです。
このことから、過敏性腸症候群がストレスの原因になってしまい、悪循環を生み出すこともあるでしょう。
一般的には、便秘型の便形状と下痢型の便形状の頻度がそれぞれ25%以上の場合、混合型と判断されます。
分類不能型
過敏性腸症候群の分類不能型は、その名の通り便秘型や下痢型などに分類されないタイプのことを指します。
お腹の調子が悪いのにも関わらず便秘や下痢が発生しないため、原因が分からずにストレスとなるケースも珍しくありません。
なお、おならが頻繁に出たり、おならの臭いがきつかったりする場合は「ガス型」に分類されることもあります。
ガス型は膨満感を感じることに加えて、人が近くに来るとおならが漏れてしまうといった症状も出がちです。
これらの特徴を理解しておけば、なぜお腹の調子が悪いのかの原因に悩むことも少なくなるでしょう。
過敏性腸症候群を検査する3つの方法
過敏性腸症候群を検査する方法は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 血液検査
- 便検査
- 大腸内視鏡検査
各検査の内容について、詳しく見ていきましょう。
血液検査
過敏性腸症候群を検査する方法の1つに、血液検査があげられます。血液検査では、特に炎症反応を示すCRP(C反応性蛋白)や白血球数の値がチェックされます。
たとえば大腸がんを患っている場合や潰瘍性大腸炎などの場合は、炎症の数値が上昇する傾向にあります。
もし血液検査を行って数値に異常が見られない場合は、過敏性腸症候群の可能性が考えられます。
もちろん他の検査結果と組み合わせながら判断する必要はありますが、一般的な検査方法の一つとして覚えておきましょう。
便検査
便検査では、何かウイルスや菌に感染していないかを確認する「便培養検査」が用いられることが多いです。
便培養検査のほかに「便潜血検査」も実施されることもあります。
仮にウイルスや菌に感染していたり、潜血が合ったりする場合は、過敏性腸症候群以外の病気の可能性が考えられます。
もしこれらの検査で問題がない場合は過敏性腸症候群が考えられます。こちらの検査についても、血液検査同様、過敏性腸症候群の一般的な検査方法と覚えておきましょう。
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査では、大腸に感染性腸炎や炎症性腸疾患などの炎症がないか、腫瘍は見当たらないかを検査します。
見た目上では分からないことも組織検査によって診断できるため、結果を求める場合に適した方法と言えるでしょう。
なお、大腸内視鏡検査の実施状況は、病院やクリニックによって異なります。もし希望するのであれば、実施状況を事前に確認しておかなければなりません。
また、体調や体質などによって検査ができるかどうかも異なるようなので、まずは一度問い合わせてみるとよいでしょう。
過敏性腸症候群と診断を受けた際の5つの治療方法
過敏性腸症候群と診断を受けた際は、以下5つの方法で治療を進めることになるでしょう。
- 生活習慣の改善
- 内服治療
- 食生活の見直し
- 適度な運動
- ストレスの解消
上記の内容について、詳しく解説します。
生活習慣の改善
過敏性腸症候群を治療するには、生活習慣の改善が求められます。
食事の仕方はもちろんですが、睡眠時間がしっかりと確保できているか、規則正しい生活を送れているかなどが中心になるでしょう。
生活習慣が乱れているとストレスにつながるおそれもあり、過敏性腸症候群の発症リスクが高まります。
特に睡眠時間が短かったり、食事の時間が不規則だったりする場合は、これらの部分を改善することが必要です。
内蔵の状態が悪化する原因にもなりかねませんので、注意してください。
内服治療
生活習慣を改善しても状態が改善されないといった場合には、内服治療が用いられることもあります。
消化管調整薬を用いれば腸の蠕動運動を整えられるでしょう。
また、下痢型の症状が見られる場合には、高分子重合体という腸の中の水分を吸収する薬が用いられます。
市販薬で代用すると思わぬトラブルにつながる可能性もあるため、薬を服用する際は、医師に相談するようにしましょう。
食生活の見直し
過敏性腸症候群が疑われる場合、食生活の見直しも重要なポイントとなります。例えば脂質の多い食品や刺激物を好んで食べるようだと、過敏性腸症候群のリスクは高まるでしょう。
また、アルコールやカフェインが含まれた飲料を頻繁に飲む場合も、過敏性腸症候群になってしまう可能性があります。
食生活の改善はすぐにでも取り組める項目であり、自分だけでも改善を目指せる部分となるでしょう。
暴飲暴食を繰り返す場合も過敏性腸症候群になりやすいため、この部分もあわせて見直してみてください。
適度な運動
運動習慣が不足している場合は、適度な運動を日常の中に取り入れてみましょう。
運動の強度は決して高いものである必要はなく、毎日数十分のウォーキングや軽いジョギングなどで問題ありません。
適度な運動は生活習慣の改善にもつながるため、結果としてさまざまな相乗効果にも期待できるでしょう。
なお、運動はできるだけ継続することが重要です。ストレスの改善にも期待できるものとなっているため、普段の生活に軽い運動を取り入れてみてください。
ストレスの解消
過敏性腸症候群は、ストレスが原因となって発症しやすいものです。そのため、ストレスの解消についても、効果的な治療方法になると考えられるでしょう。
なにがストレスになっているかは人それぞれ異なるため、まずは原因の特定が重要です。例えば仕事が原因になっているなら、人間関係や業務内容を見直す必要があるでしょう。
日常生活でのトラブルが起因しているなら、それらの問題を改善しなければなりません。
ストレスを解消するには、自分だけで対処しきれない場合もあります。そのため、周囲の理解を得ることも重要になってくると考えられるでしょう。
過敏性腸症候群に関するよくある質問
過敏性腸症候群に関するよくある質問として、以下の4つをご紹介します。
- 過敏性腸症候群を放置するとどうなる?
- 過敏性腸症候群の主な原因は?
- 子どもの過敏性腸症候群が疑われる場合はどうすればよい?
- 過敏性腸症候群が疑われる症状がある場合はすぐに病院に行くべきですか?
上記の内容について、詳しく見ていきましょう。
過敏性腸症候群を放置するとどうなる?
過敏性腸症候群を放置していると、便意で電車に乗れなかったり仕事に集中できなくなってしまったりする可能性があります。
日常生活に大きな影響を与える場合もあるため、気になったら放置せずに診察を受けるとよいでしょう。
また、放置していることで重大な合併症を引き起こす可能性も否めません。
過敏性腸症候群以外の問題につながることも十分に考えられるため、できるだけ放置はしないようにしてください。
過敏性腸症候群の主な原因は?
過敏性腸症候群の主な原因は、ストレスや過度な緊張、腸内細菌叢の変化などが関係していると考えられています。
ただし、具体的な原因については解明されていません。そのため、原因が分からずに悩んでしまうケースも多々あります。
また、原因は一つだけでなく、複合的に重なっているケースもあります。
これらのことを理解しておけば、過敏性腸症候群で発生しうるストレスを軽減できるかもしれません。
子どもの過敏性腸症候群が疑われる場合はどうすればよい?
子どもの過敏性腸症候群が疑われる場合は、まず幅広い観点から診察してもらえる小児科を受診しましょう。
診察の結果、症状によって消化器科や心療内科などを紹介されることもあります。
なお、子どもが過敏性腸症候群かどうかは、下痢や便秘・腹痛などの症状が2ヵ月以上続いているかを判断基準としましょう。
長期間症状が続いている場合は別の病気の可能性も疑われるため、早めの受診も検討してみてください。
過敏性腸症候群が疑われる症状がある場合はすぐに病院へ行くべきですか?
過敏性腸症候群が疑われる症状がある場合、まずは消化器内科を受診しましょう。
すぐに受診するかは人によって異なりますが、数ヶ月以上おなかの痛みやハリなどがある場合は、できるだけ早い受診が推奨されます。
また、下痢や便秘・腹痛などが2ヶ月以上続いている場合も受診の目安です。
放置しているとさまざまなリスクがともなうため、自身の身体を守るためにも早めに受診しましょう。
過敏性腸症候群が疑われる場合は消化器内科・心療内科へ受診を!
過敏性腸症候群が疑われる場合は、消化器内科・心療内科を受診してください。
過敏性腸症候群にはさまざまな種類がありますが、どの症状であっても消化器内科・心療内科の受診で問題ありません。
過敏性腸症候群と診断されたら、生活習慣の改善や食生活の見直しなどが重要になります。
どのような治療が必要かは人それぞれ異なるため、医師の指示のもと治療を始めてください。
横浜よりそいクリニックでは、過敏性腸症候群に関する悩みを受け付けております。受診先に悩んでいる方はもちろん、症状の改善を目指すのであれば、ぜひ一度お問い合わせください。