強迫性障害を発症した場合、寝たくないと感じる人もいます。
よくある症状としては、汚れへの恐怖や確認作業の反復行為、加害恐怖などが挙げられ、早めに専門医へ相談して改善するのが重要です。
本記事では、強迫性障害の症状や原因、治療方法を解説します。さらに、セルフケアや関連する病気、体験談もあわせて紹介しているため、強迫性障害で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
また、強迫性障害の治療は横浜よりそいメンタルクリニックにご相談ください。経験豊富な専門医が在籍しており、環境面や設備面も充実していて、専門的な治療を受けられます。
【寝たくないと感じることも】強迫性障害とは?
強迫性障害とは、自身の意思とは関係なく発生する不安感を振り払うために、さまざまな行為を反復してしまう不安障害の一つです。
意識とは関係なく生じる不安を強迫観念、不安を払拭するために反復してしまう行為を強迫行為と呼びます。
よくある症状は、「反復してしまう確認作業」「加害恐怖」「汚れが異常に気になる」などですが、寝たくないと感じる場合もあります。
また、発病確率は約100人中2、3人といわれており、統合失調症よりも高い発病率な点が特徴です。
強迫性障害になってしまう原因とは?
強迫性障害の詳しい原因は、現時点でわかっていません。
ただし、発症する要因と考えられているものはいくつか挙げられます。発症の可能性がある要因は以下の通りです。
- 環境的要因:いじめ、不登校、ハラスメント
- 心理的要因:性格や考え方
- 生理的要因:遺伝やホルモンバランスの変化
要因は「環境的要因」「心理的要因」「生理的要因」の3つに大きく分けられ、いじめや不登校、性格や考え方の癖、ホルモンバランスの変化までさまざまです。
また、神経伝達物質のセロトニンが機能異常になって発生するともいわれています。
強迫性障害の5つの症状とは?
本章では、強迫性障害のよくある5つの症状を解説します。
- 不潔恐怖と洗浄
- 加害恐怖
- 確認作業
- 儀式行為
- 物の配置や数字へのこだわり
上記の症状を感じた場合は、強迫性障害の可能性があります。
強迫性障害は、さまざまなものへの恐怖心や不安から反復して確認してしまったり、強いこだわりが起因して日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。
症状がつらい場合は、早めに専門医へ相談するとよいでしょう。
不潔恐怖と洗浄
強迫性障害のよくある症状として、不潔恐怖と洗浄があります。
症状は潔癖症をもっとひどくした感じで、汚れへの極端な恐怖心から頻繁に手洗いや入浴を何度も行ってしまうのが特徴です。
強迫性障害になると「私は汚れているかもしれない」と強い不安に感じます。不安を払拭するために、反復して洗浄行為を行うのが特徴です。
加害恐怖
加害恐怖とは、自分や他人に危害をくわえてしまうかもと不安に襲われる症状です。
加害恐怖は自分の行動を制御できていないかも、と恐怖を感じることが原因で不安を感じます。
強迫性障害の中では一般的な症状で、「誰かを怪我させていないか」と常に考えてしまいがちです。
対策としては周囲の人にサポートを頼むのがよいですが、周囲の人へ悩みを相談するのが難しく、相談できずに一人で抱え込みやすいため注意が必要です。
確認作業
強迫性障害を発症すると、確認作業を反復してしまう可能性があります。
確認作業とは、鍵の施錠や元栓の開閉を確認する行為を指します。この確認作業を反復してしまうのが、強迫性障害の症状です。
「ほんとにできているのか?」と不安を感じてしまうため、確認作業に時間と労力がかかる点には注意が必要です。
症状がひどい場合は日常生活に支障をきたしてしまうほか、友人や家族を巻き込んでしまう場合もあります。
儀式行為
儀式行為は、家事や仕事を同じ手順でやらなければと考える症状です。「外出の際は靴を右足から履く」「人と話したら、必ず手を洗う」などの独自のルールを持っているのが特徴です。
こだわりが強い人にみられやすい症状で、時間と労力を使ってしまうほか、柔軟な思考ができなくなってしまう恐れがあります。
物の配置や数字へのこだわり
物や数字へ必要以上に固執するのも強迫性障害の症状です。
強迫性障害の人は、特定の数字や物へ必要以上に固執するため「服は黒色しか着ない」「4、9などの数字を不吉と思い、極端に避ける」などにこだわります。
物事を一定のルールにしたがってコントロールしないと不安に陥るため、日常生活に支障をきたす場合が多いです。
【体験談】強迫性障害を発症すると感じる事例7選
本章では、強迫性障害を発症した人が感じる体験談7選を紹介します。
- 寝つきが悪化した
- 同じ質問を繰り返してしまう
- 汚れに敏感になった
- 完璧主義と指摘された
- 物や数字に執着してしまう
- 周囲の人との関係性が悪化した
- うつ病を併発した
実際に発症した人が感じた体験談をそれぞれ紹介していくので、強迫性障害で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
寝つきが悪化した
強迫性障害の症状が原因で、不眠に悩まされる場合があります。
寝る前にいろいろ考えることで眠れなくなったり、単純に寝たくないと感じることから、寝つきが悪化します。
寝つきの悪化は日常生活にも影響が出るようになり、外でもイライラすることが多くなることもあるようです。
同じ質問を繰り返してしまう
同じ質問を何度も繰り返して、そのことを上司や同僚に指摘された人もいます。
同じ質問を反復してしまう理由としては「ほんとにできているのか?」と不安を感じてしまうことが考えられます。
具体的には「鍵は閉めたのか」「メールでの回答したのか」など、必要以上に反復してしまうようです。
また仕事だけでなく、日常生活でも家族や友人を巻き込んで迷惑をかけた事例もあります。
汚れに敏感になった
最近、とくに汚れに敏感になったと感じる場合は強迫性障害かもしれません。
何かに触れるたびに手を洗いたくなったり、お風呂に何度も入りたくなったりして、徐々に回数も増えていきます。
症状がひどくなっていくと、徐々に洗浄行為に使う時間が長くなるため、日常生活に支障をきたしてしまいます。
また、洗浄行為の多さを友人にばかにされた人もいるようです。
完璧主義と指摘された
完璧主義と指摘される場合もあります。完璧を求めるあまり理想が高く、思い通りいかないことで自分を責めすぎてしまう可能性が高いです。
また、完璧主義の人は自分以外の他人にも厳しくする場合があるため、家族や友人にも不潔恐怖による洗浄を強要したりします。
完璧主義が行き過ぎると、自分でも気づかないうちに強迫性障害になっていた人もいるくらいです。
周囲から完璧主義を指摘された場合は、強迫性障害を疑ったほうがよいでしょう。
物や数字に執着してしまう
物や数字へ必要以上に執着してしまうこともあります。
強迫性障害の人は特定の数字へ強いこだわりをみせることで、些細な行動も数字によって制限されてしまい、つらいと感じる場合があるようです。
必要以上に固執するがゆえ、物事を一定のルールにしたがって制御しないと不安に陥ってしまいます。
- エレベーターの特定の数字が押せない
- 資料作成で特定の数字が入力できない
生活するうえで大きな障害となる場合も少なくありません。
周囲の人との関係性が悪化した
周囲の人との関係性が悪化したケースもあります。
確認作業を必要以上に繰り返すことで、家族や友人に迷惑をかける可能性が高いです。
さらに固定観念が強い場合、自分ルールを他人に押し付けてしまい、対人関係が悪化する場合もあるでしょう。
無理な押し付けは、職場や学校での人間関係の悪化につながるだけでなく、家族や友人にも負担をかけることにつながってしまうため、注意が必要です。
うつ病を併発した
強迫性障害になることで、うつ病を併発する場合もあります。
不安を強く感じることでストレスが溜まってしまい、うつ病などの精神疾患を合わせて発症してしまいます。
その他、ストレス発散が原因でアルコールやその他嗜好品の依存症になる場合があるため、注意が必要です。
強迫性障害に関係する病気4選
本章では、強迫性障害に関係する4つの病気を解説します。
- 身体醜形障害
- ため込み障害
- 抜毛症
- 皮膚むしり症
上記の病気は、強迫観念や強迫行為が影響している可能性が高いとされています。
それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
身体醜形障害
身体醜形障害とは、自身の外見がひどく醜いと感じる病気です。
自分が醜いと感じることで、自身の容姿が必要以上に気になったり、不安を溜め込みやすくなります。
具体的な症状は、以下の通りです。
- 鼻が大きく感じる
- 肌が汚く感じる
- 歯並びが悪く思える
身体醜形障害は、他からみれば違和感ないことに異常に反応してしまうのが特徴といえます。
ため込み障害
ため込み障害とは、ゴミなどの不要品を捨てられない病気です。物への執着が強く捨てることは怖いため、気づいたときにはゴミ屋敷になっている場合があります。
強迫性障害も似たような症状がありますが、ため込み障害は不要品を捨てられないことに悩まず、むしろいいことをしていると感じる点が違います。
そのため、不要品を溜めても苦しんでいない場合は、ため込み障害を疑いましょう。
抜毛症
抜毛症とは、自身の髪や眉毛を抜いてしまう病気です。別名、トリコチロマニアとも呼ばれます。
ストレスや緊張感を紛らわすため、毛を抜いてしまう場合が多く、毛が薄い状態になってもやめられないのが特徴です。
抜毛症ははっきりとした強迫症状がある場合は少なく、なんとなく落ち着かなくて抜いてしまう場合が多いといえます。
皮膚むしり症
皮膚むしり症とは、皮膚や爪などを何度もかきむしる病気です。
かきむしるのをなかなかやめられないことが多く、人によっては数時間以上続けてしまう場合もあります。
とくに、女性の発症率が高いのが特徴です。
強迫性障害で行われる2つの治療法とは?
本章では、強迫性障害で行われる2つの治療法を解説します。
- 薬物療法
- 認知行動療法
強迫性障害を治す方法は薬を使用する薬物療法のほか、行動を変化させるのが目的の認知行動療法を行うのが一般的です。
また、治療法を独自の判断で決めるのは間違った治療法を選択してしまい、症状が長引く危険性があるため、注意が必要です。
治療を行う際は、必ず専門医の指示のもとで実施しましょう。
薬物療法
強迫性障害に効果がある治療法の一つに薬物療法があります。
薬物療法は、薬を使用して病気を治す方法です。強迫性障害の場合は、抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使用するのが一般的です。
薬の効果は個人によって異なることがあるため、一人ひとりに合ったものを専門医の指示のもと、調整していく必要があります。
SSRIは副作用が少ない傾向にありますが、個人によって作用が異なる場合も少なくないため、身体に異変を感じた際は、すみやかに専門医や薬剤師に相談しましょう。
認知行動療法
薬物療法以外の治療法としては、認知行動療法が挙げられます。
認知行動療法は、患者が抱えている問題を改善し、行動を変化させるのが目的の治療法です。強迫性障害では、曝露療法が活用される場合がほとんどです。
曝露療法は別名エクスポージャー法とも呼ばれ、患者自身が不安に立ち向かい、強迫行為をしないように反復練習する方法となっています。
不安に何度も立ち向かうことで感じる不安を軽減させたり、強迫行為をしなくてもいいような状態を目指します。
【自分でもできる】強迫性障害への3つの対策とは?
最後に、強迫性障害への3つの対策を紹介します。
- 深呼吸や瞑想を行う
- 十分な睡眠と適度な運動を行う
- 意識して外出する
それぞれ紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
深呼吸や瞑想を行う
セルフケアの一つとして、深呼吸や瞑想を行うのがおすすめです。深呼吸や瞑想はストレス軽減効果があるため、精神的に落ち着けるでしょう。
さらに、瞑想には不安症状の軽減が期待できるため、他の精神疾患にも効果的です。
また、深呼吸をする際はしっかりと吐くのが大切で、ゆっくりと口から息を吐くようにしましょう。
深呼吸や瞑想は、習慣化させるとより効果的です。毎日継続的に実施できるよう、工夫するのをおすすめします。
十分な睡眠と適度な運動を行う
十分な睡眠と適度な運動も、セルフケアとして効果的です。
睡眠をしっかりとることで脳にある情報や記憶の整理が可能なため、脳のリフレッシュができます。
また、適度な運動はストレス軽減や脳のリフレッシュが期待できるでしょう。
深呼吸や瞑想と同様、運動も習慣化するのが大切です。「散歩」や「ストレッチ」のような軽めな運動から始めると継続しやすいため、おすすめです。
意識して外出する
意識的に外出してみるのもよいでしょう。外出は新しい体験ができたり、友人との会話で脳をリフレッシュできます。
強迫性障害になると、不安や恐怖から外出を避けがちですが、外へ出ることで症状を和らげる効果が期待できるため、少しでもいいので外出してみるのをおすすめします。
ただし、強迫性障害の症状がつらい人や外出するのが精神的にきつい場合は、症状が悪化してしまう可能性があるため、その点は注意が必要です。
まずは、近所の公園に散歩に行ったり、気の知れた友人とカフェでおしゃべりすることから始めてみるのがおすすめです。
強迫性障害で寝たくないと感じたら早めの受診を!
本記事では、強迫性障害の主な症状や原因、治療方法を解説し、セルフケアまで紹介しました。
強迫性障害を発症すると、寝たくないと感じる場合があります。
その他の症状は、反復した確認作業や特定の数字へ必要以上に固執するなどがあり、症状を和らげるには、心と身体のリフレッシュが重要です。
また、日常生活に支障をきたすほど症状がつらい場合は、医療機関への受診検討を強くおすすめします。
当院では強迫性障害を始めとした不安障害はもちろん、うつ病や育児ノイローゼなどの精神疾患も含め幅広く対応が可能です。
当日予約OKでアクセスも良く、設備面も充実していて通院しやすい環境が整っています。ぜひ横浜よりそいメンタルクリニックまでご相談ください。