パニック障害とは
パニック障害とは、日常生活を送るなかで突然パニック症状に陥る精神疾患のことです。パニック障害は、動悸やめまい、息苦しさ、手足の震えなどが症状として起こり、生活に支障をきたすようになります。なんの前触れもなく突然症状が発生するため、自身でコントロールするのは困難とされるため外出が制限されるケースもあります。100人中1〜2人の割合で見られる病気です。
パニック障害の3つの症状
パニック障害は、「パニック発作」「広場恐怖」「予期不安」の3つの症状が見られます。それぞれの症状の特徴は以下の通りです。
パニック発作はパニック障害の中で中心となる症状です。急な激しい動悸や体の震え、呼吸困難に襲われ強い不安感を伴います。多くの場合パニック発作は5分〜30分程度でおさまります。
広場恐怖とは「人が多くいる場所でパニック発作が起こったらどうしよう」「人にパニック発作を見られるのが怖い」などの感情を抱くことにより人混みを避けたり、1人で外出することができなくなったりする症状のことです。人前に行くことが怖くなるため社会生活に支障をきたします。
予期不安とは繰り返しパニック発作を起こしている患者さまが「また症状が発症してしまうかもしれない」という強い不安感に襲われる症状です。治療によりパニック発作が改善したとしても予期不安の症状が残るケースがあります。
パニック障害の治療方法
パニック障害の治療方法には「薬物療法」と「認知・行動療法」が用いられるのが一般的です。
・薬物療法
薬物療法とは、パニック障害を改善するために薬を用いて治療を行う治療法のことです。具体的な治療薬としては、抗うつ薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬などの薬が用いられます。まずは少量の服用から始めて治療反応を見ながら徐々に服用する薬の量を増やしていきます。薬の服用によりパニック発作が改善した場合でも再発防止のために数年間は薬の服用を継続します。
・認知・行動療法
パニック障害を発症した患者さまは、日常生活の何気ない生理現象(階段をのぼった際の動悸など)でもパニック発作が発症したと不安を抱えてしまうケースがあります。このような不安がパニック発作を発症させてしまう原因となる場合もあります。認知・行動療法とは、パニック障害という病気を理解して自分の思考の偏りに気づき、考え方を修正していく「認知療法」と、あえて人が多く集まる場所に身を置いて心と体を慣らしていく「行動療法」を統合させた治療方法のことです。薬物療法と並行して行うことで、日常生活を送るうえでの不安感を軽減させパニック障害の改善を早めます。
パニック障害の診断方法
パニック障害は自身で治すことが難しい病気であるため、発生したら早急に医療機関へ訪れることが大切です。自身がパニック障害かもしれないと感じた際は以下のチェックシートを用いて確認してみましょう。以下の項目に複数当てはまる場合はパニック障害の可能性が高いため、早急に当院にご相談ください。