「過敏性腸症候群のガス型とは?」
「どのような症状が出てしまう?」
上記のような悩みを抱える方も少なくないでしょう。
過敏性腸症候群のガス型では、意図せずにおならが漏れてしまったり、おならの臭いがきつくなってしまったりします。
原因はさまざまですが、ストレスや食生活が関係しているとされるため、この部分を見直す必要があるでしょう。
今回は過敏性腸症候群のガス型について、概要や症状、主な原因を解説します。
なお、過敏性腸症候群のガス型に悩んでいる方は横浜よりそいクリニックへご相談ください。原因の特定や症状の改善に向けて、さまざまなサポートを実施いたします。
過敏性腸症候群のガス型とは?
過敏性腸症候群のガス型とは、頻繁におならが漏れてしまうタイプのことを指します。
過敏性腸症候群のガス型Rome基準で分類されておらず、他のタイプと比べると研究が進んでいない分野です。
そのため、自分が過敏性腸症候群になってしまっていることに気付かないケースも珍しくありません。
そもそも過敏性腸症候群は、腫瘍や潰瘍・炎症などの器質的異常が認められない疾患です。
診断そのものが難しい病気であるため、頻繁におならが漏れてしまうことを体質ととらえてしまうこともあります。
結果として症状が長期化してしまい、症状の改善や原因の特定・解決につながらないケースも多数見られるのです。
過敏性腸症候群ガス型の特徴は?症状をチェック
過敏性腸症候群ガス型を患ってしまった場合の症状の特徴として、以下のような例が挙げられます。
- 慢性的にガスが漏れ続ける
- 人が近づくとガスが漏れてしまう
- 腸内にガスが溜まりやすい
- お腹の張りを感じる
- おならの臭いが強い
上記のほかにも、下痢や便秘が続いたり、食欲不振に陥ったりするケースも多いです。
特に神経質な人は症状が出やすいとされており、症状の問題から精神面に影響することも少なくありません。
また、過敏性腸症候群ガス型の症状は、1つに留まらないことも見られます。ひどくなると症状が複合することも珍しくないため、少しでも気になる場合は、早めに医療機関で診察を受けましょう。
過敏性腸症候群ガス型になってしまう4つの原因
過敏性腸症候群ガス型になってしまう原因にはさまざまなものがあげられますが、その中でも代表的なのは以下の4つです。
- ストレス
- 自律神経の乱れ
- 呼吸の乱れ
- 腸内環境の悪化
上記の原因がどのようにして過敏性腸症候群ガス型に関わってくるのか、詳しく見ていきましょう。
ストレス
過敏性腸症候群ガス型になってしまう原因の一つに、ストレスがあげられます。ストレスがたまると腸の動きが低下したり、活発になったりしてしまい、結果としてガスが蓄積する原因となります。
その他にも便秘や下痢などを引き起こす恐れもあるため、ストレスを感じやすい人は特に注意が必要です。
ストレスを感じやすい人は、なにがストレスの原因になっているかを把握し、原因を取り除くことが重要です。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れも、過敏性腸症候群ガス型になってしまう原因と考えられています。
自律神経が乱れる原因はさまざまですが、ストレスや不規則な生活が関係すると考えられています。
例えば人間関係がうまくいかなかったり、仕事のプレッシャーがかかったりすると、精神的な要因として自律神経の乱れにつながります。
また、過労や騒音・温度の変化などが関係して、自律神経が乱れてしまうこともあるでしょう。
呼吸の乱れ
呼吸が乱れてしまうと、普段よりも多く息を吸い込むようになります。多く息を吸い込んでしまうと体内に空気が溜まってしまい、結果としてガスが発生する原因となります。
呼吸が乱れる原因はさまざまですが、呼吸器疾患やアレルギー、加齢によるものなどがあげられます。
また、栄養不足や睡眠不足などの生活習慣の乱れや精神的なストレスがともなうこともあります。
少しでも呼吸の乱れがあると感じたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
腸内環境の悪化
腸内環境が悪化すると、過敏性腸症候群のガス型になってしまう可能性があります。
具体的には悪玉菌の増加が関係しており、内容物が腐敗すると、悪臭の原因となります。
腸内環境の悪化には、普段の食生活が関係していると考えられます。例えば食物繊維が不足していたり、たんぱく質や脂質中心の生活になっていたりすると、悪化する可能性が高いです。
このほかにも運動不足や不規則な生活なども原因になりかねないため、生活習慣の見直しが重要になります。
過敏性腸症候群のガス型の治し方は?
過敏性腸症候群のガス型を治したいのであれば、以下の方法を実践してみるとよいでしょう。
- 普段の生活に運動を取り入れる
- 腸内環境を整える
- お腹を指圧する
- 食生活を改善する
- ストレスの原因を取り除く
それぞれの内容について、詳しく解説します。
普段の生活に運動を取り入れる
運動不足の人は、過敏性腸症候群のガス型になりやすいとされています。そのため、普段の生活に運動を取り入れると症状の改善が期待できます。
普段の生活に運動を取り入れれば、自律神経の乱れやストレスの改善にもつながると考えられています。
なお、運動をする際は特別強度を高くする必要はありません。1日に10~15分程度で構いませんので、軽いジョギングやウォーキングを取り入れましょう。
腸内環境を整える
腸内環境を整えることも、過敏性腸症候群のガス型を治療する方法としてあげられます。
主に食物繊維を摂り入れるようにすれば、腸内環境の改善に期待できるでしょう。また、朝起きてコップ一杯の水を飲むことで、腸の活性化にも期待できるとされています。
食物繊維にはさまざまな種類がありますが、その中でも水溶性食物繊維が効果的です。
キノコ類や海藻類、イモ類、オクラなどに含まれているため、積極的に試してみてください。
お腹を指圧する
お腹を指圧することで、腸の調子を整えられるとされています。
特におへそのあたりにある「神闕(しんけつ)」と呼ばれるツボや指3~4本離れた場所にある「天枢(てんすう)」というツボを押すことで効果的が期待できます。
お腹を指圧する際は、あまり力を入れすぎないように注意しましょう。適度な力で押すことで、ツボの効果を発揮できます。
また、指圧だけでなく腹部を温めるのもよいでしょう。腸の調子を整えるためにも、これらの方法をぜひ試してみてください。
食生活を改善する
過敏性腸症候群のガス型を改善したいのであれば、食生活の改善にも力を入れましょう。
食事のとり方として注意したいのは、暴飲暴食を避けたり3食を規則正しく摂ったりなどがあげられます。
また、積極的に水分を摂るようにするのも、改善方法の一つです。あわせて、どのような食べ物をとるかにも注意しなければなりません。
食物繊維を摂る際は水溶性を主に食べ、不溶性はできる限り避けるようにしましょう。
動物性タンパク質、乳製品、砂糖は悪玉菌が発生する原因になりかねないため、この点も注意したいポイントの一つです。
ストレスの原因を取り除く
過敏性腸症候群のガス型は、ストレスが起因して発生していることもあります。
そのため、ストレスの原因を取り除くのも症状の改善が期待できます。
ストレスの原因は人によって異なるため、一概にどのような方法で取り除くのが適切かは断言しきれません。
しかし、一般的には仕事上の問題や私生活の悩みが関係していると考えられます。
自分だけで解決するのが難しい場合は、家族や友人などに相談してみるとよいでしょう。
過敏性腸症候群ガス型の人が避けるべき5つの食事・飲料
過敏性腸症候群ガス型を改善するには、以下の食事や飲料はできるだけ避けた方がよいでしょう。
- 高FODMAP食品
- 乳製品
- 香辛料
- 脂質の多い食品
- カフェイン・アルコール
上記の内容について、詳しく解説します。
高FODMAP食品
高FODMAP食品とは、腸で発酵しやすく、なかなか吸収されにくい炭水化物(糖類
)を多く含有する食品のことです。
これらの食品は腸内でガスを発生させる恐れがあることから、できるだけ避けた方がよいとされています。
高FODMAP食品はさまざまなものがありますが、具体的に該当する食品は以下の通りです。
穀物 | 大麦、小麦、ライ麦、パン、ラーメン、パスタなど |
野菜・いも類 | アスパラガス、豆類、納豆、ゴーヤ、玉葱、ニンニクなど |
肉・魚・卵・ナッツ・スパイス | ソーセージ、カシューナッツ、ピスタチオ、アーモンド、あんこなど |
調味料・その他 | 蜂蜜、オリゴ糖、コーンシロップ、果糖ブドウ糖液、トマトケチャップ、カスタードなど |
乳製品 | 牛乳、乳糖を含む乳製品全般、ヨーグルト、アイスクリーム、クリーム類全般など |
果物 | リンゴ、スイカ、あんず、桃、梨、西洋梨、グレープフルーツなど |
上記に該当する食品を好んで摂取する場合は、過敏性腸症候群ガス型の発症リスクが高まるため、注意してください。
乳製品
乳製品を好んで摂取する場合も、過敏性腸症候群を引き起こす恐れがあります。
ガス型に限った話ではありませんが、下痢を引き起こしたり腸内環境を悪化させたりする可能性があるため、十分に注意しましょう。
特に乳糖不耐症の人は、過敏性腸症候群になってしまうリスクがより高まります。
乳製品の中には高FODMAP食品に分類されるものもあるため、摂取量や頻度には注意しなければなりません。
可能な限り乳製品は避けるようにし、腸への負担を減らしましょう。
香辛料
香辛料についても、過敏性腸症候群のガス型を引き起こす可能性がある食品です。
例えば胡椒や生姜など、スパイスを多く使ったカレーなどは、腸の動きを活発にしてしまいます。
腸の動きが活発になるのは決して悪いことではないものの、すでに症状が出ている場合、悪化させる恐れがあるでしょう。
特に注意したいのは、唐辛子が含まれた食べ物を摂取する場合です。唐辛子に含まれるカプサイシンは消化管の運動を促進させてしまうため、ガス以外にも下痢や腹痛を引き起こす可能性が高まります。
脂質の多い食品
脂質の多い食品も、過敏性腸症候群のガス型の場合は控えた方がよいでしょう。脂肪分が多く含まれる食品は、脂肪が分解されると脂肪酸がつくられます。
この脂肪酸は腸を刺激する可能性があり、下痢やガスなどが発生する原因になります。
一般的には揚げ物類や、ソーセージやベーコンなど、加工肉の食品は過敏性腸症候群によくないとされています。
現在、過敏性腸症候群を患っていない場合でも、発症してしまうおそれがある食品であるため、この点にも十分注意しましょう。
カフェイン・アルコール
カフェインやアルコールを含む飲料は、腸の動きを刺激すると考えられています。
腸の動きが刺激されてしまうと、過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまう可能性があるため、注意しましょう。
例えばお酒を好んで飲む人や、コーヒー・エナジードリンクをよく飲む人は、発症リスクが高まります。
また、アルコールやカフェインには利尿作用もあるため、体内の水分が尿として排出されすぎてしまうおそれもあるでしょう。
この場合、腸内が水分不足になってしまう可能性があり、悪玉菌の増加につながってしまうかもしれません。
【参考】過敏性腸症候群ガス型以外の症状とは
過敏性腸症候群には、ガス型のほかにも以下3つの症状があるとされています。
- 下痢型
- 便秘型
- 不安型
それぞれの症状について、特徴や原因を見ていきましょう。
下痢型
過敏性腸症候群の下痢型は、軽度の緊張感や不安を感じただけで、激しい下痢を引き起こしてしまうタイプです。
仕事や私生活でのストレスを抱えると起こりやすいとされており、一般的には男性に多く見られます。
ストレス以外の原因としては、食事の仕方が関係することもあるようです。
食べる量が多い場合や脂質の多い食事を好む人など、胃腸に負担がかかる食事の仕方をする場合、症状を引き起こしかねません。
1日に何度も水のような便が出る場合や、粘度の高い便が出る場合は、過敏性腸症候群の下痢型を疑ってもよいでしょう。
便秘型
過敏性腸症候群の便秘型は、慢性的な便秘が続くのが主な症状です。
便秘が続く兼ね合いから小さくころころとした便が出るのも特徴であり、比較的女性に多い症状といえるでしょう。
さらに腹部に不快感や腹痛をともなうことも珍しくありません。
便秘型は強いストレスにより、腸の収縮運動が悪くなることが原因とされています。
このほかにも慢性的な食物繊維不足も、便秘の悪化を促す原因となるようです。
便秘型が疑われる場合は、水溶性食物繊維を摂り入れるようにしたり、ストレスの原因を解消することが求められるでしょう。
不安型
不安型は、便秘・下痢の症状がどちらも生じるのが特徴となっています。「交代制便通異常」と呼ばれることもあり、下痢と便秘の症状が数日ごとに入れ替わることが多いです。
他の過敏性腸症候群と同様、腹部に不快感や腹痛がともなうケースも珍しくありません。
また、便が十分に出ないことに悩むケースもあるでしょう。
便の状態が硬くなったり柔らかくなったりを繰り返すのも、ほかのタイプにはない特徴といえます。
過敏性腸症候群のガス型はストレスや食生活の改善が重要
過敏性腸症候群のガス型は、主にストレスや食生活の問題から生じることが多いとされています。
そのため、改善するにはこれらの原因を根本から解決しなければなりません。例えば運動習慣がないのであれば、軽い運動を日常に取り入れましょう。
食事についても脂質の多いものは避け、水溶性食物繊維を摂るのがよいとされています。
過敏性腸症候群のガス型になってしまう原因は人それぞれであるため、まずは何が関係しているかを判断することが大切です。
横浜よりそいクリニックでは、過敏性腸症候群に関する悩みを受け付けております。症状や原因の特定に疑問や不安を抱いている方は、ぜひ一度ご相談ください。